絵本の読み聞かせは子どもの想像力を豊かにしたり、心を落ち着かせる効果があったりと、子どもの発達にとってプラスになることが多いです。
かと言って、せっかく読み聞かせをしようとしても、全然読み聞かせを聞かず、すぐにどこかに行ってしまうなんてのはよくある話。
できれば、そんな子どもにも絵本を楽しんでくれるようになってほしいものです。
今回はそんな悩みをお持ちの方のために、子どもが絵本の読み聞かせを聞かない理由や、読み聞かせに興味を持ってもらうポイントについて紹介します。
子どもが絵本の読み聞かせを聞かない…NG行動していませんか?
子どもが読み聞かせを聞いてくれないのには、何か理由があるのかもしれません。
自分で気付いていないだけで、こんなNG行動をしていませんか?
- 質問攻めにしている
- 読み聞かせをする時間やタイミングがいつもバラバラ
- 子どものペースよりも自分のペースで読み進めてしまっている
- 発達段階に合わない内容の難しい絵本を選んでいる
一つでも当てはまるものがあれば、要注意。原因は子どもではなく、読み手にある可能性が高いです。
自分が読み聞かせをしている時の様子を思い浮かべて、自分の行動を振り返ってみましょう。
質問攻めにしている
絵本を読んでいる途中に質問をたくさんしてしまうと、子どもは絵本の世界に入り込めず純粋に楽しむことができません。
また、絵本を読み終わった途端、矢継ぎ早に感想を求め、「どんなお話だった?」など内容を理解しているか確認しようとしてしまいがちです。
質問責めにすることで子どもはテストされているような気分になってしまい、絵本の読み聞かせが嫌な時間になってしまいます。
さらに子どもが質問にうまく答えられなかったときに嫌な態度をとってしまうことも、絵本の読み聞かせに対する悪いイメージをもたせてしまいやすいので注意しましょう。
どんな答えをしたとしても、温かく受け止めてあげることで子どもは満たされた気持ちになり、読み聞かせの時間が楽しいものになります。
読み聞かせをする時間やタイミングがいつもバラバラ
子どもは秩序性のあること、いつも通りのことがあると安心します。
逆に普段やっていないことを突然しようとすると、すぐに馴染めなかったりもしますよね。
絵本の読み聞かせに関しても同じで、親の手が空いたからと突然読み聞かせを始めても、子どもからすると絵本を読むような気分ではないということもあります。
寝る前やお昼ご飯を食べた後など、タイミングを決めて読み聞かせの習慣を作るようにしましょう。
子どものペースよりも自分のペースで読み進めてしまっている
絵本の文字を読み進めることに集中してしまい、子どもの興味を受け流してしまっていませんか。
絵本の読み聞かせで一番大切なのは親子のコミュニケーションです。
どんなにたくさんの絵本を読み聞かせたとしても、淡々とただ読み上げたのでは子どもの興味や関心を惹きつけることは難しいです。
子どものペースや興味に合わせて(多少絵本と話がそれてしまったとしても)、ゆったりとした気持ちで絵本を楽しめると良いですね。
発達に合わない内容の難しい絵本を選んでいる
子どもに絵本を読み聞かせをするときに重要なのは、絵本選びでもあります。
小さな子どもに文字数の多い物語調の絵本を読んでも、最後まで集中して聞くことはなかなか難しいです。
低月齢の赤ちゃんであれば、一つのページに大きく一つの絵が書かれているものなどから始めてみてください。
その子の興味や発達に合わせて絵本の内容もステップアップしていくと聞いてくれるようになります。
保育士直伝!絵本の読み聞かせに興味をもたせるコツって?
保育の現場ではしょっちゅう絵本の読み聞かせがあり、子どもたちは夢中になって聞いていますよね。
筆者の友人に現役保育士がいるので、読み聞かせをする時のコツを教えてもらいました。
【保育士直伝!読み聞かせのコツ】
- 導入は手遊びやお話の時間、いきなり読み始めない
- 絵本を読みやすい角度や座り方に配慮する
- 声に抑揚をつけて話す
- 読み終えたら簡単な感想の時間を設ける
一つずつ、確認していきましょう。
導入は絵本の世界に入るために手遊びやお話の時間にする
いきなり絵本を読み始めても、子どもは聞く準備ができていないこともあります。
保育園では、まずは簡単な手遊びや絵本に関するお話をして子どもの注意を引くことから始めるそう。
それから絵本の読み聞かせに移ると、スムーズに絵本の世界へ入っていくことができると言います。
絵本を読みやすい角度と座り方にしてから始める
小さな子どもは字が読めない子もいるので、読み聞かせは読み手の話と絵を見て楽しみます。
その時に絵が見づらいと絵本の世界に入りこめず、集中力が切れてしまう原因に。
読み聞かせの途中で飽きてしまうのは、子どもが読み聞かせに夢中になれない要因が絡んでいる可能性が高いです。
落ち着いてお話が聞けるよう、絵本を見やすい角度や位置に調整してあげることも大切です。
声に強弱をつけるなど抑揚をつけて話す
絵本にはさまざまな場面や人物が登場しますよね。
これらの展開に合わせて声の大きさを変えたり抑揚をつけることによって、子どもたちが自然とお話の世界に引き込まれていきます。
「抑揚をつける」というのが難しく感じたら、お話の内容に合わせて表情を作りながら読んでみるというのもおすすめです。
表情によって声のトーンが変わり、自然と抑揚がつきやすくなります。
終わり方は余韻を楽しめるように、簡単でいいから感想を聞いてみる
絵本の読み聞かせが終わったあとは、お話の余韻を楽しむことも重要なんだそう。
そのため、読み終えたあとは子どもたちに少しずつ感想を話してもらい、絵本の楽しさをその場で共有するそうです。
ここでポイントなのは無理に感想を言わせようとしないということ。
読み聞かせをして「たのしかった」といった簡単な感想だけだと、読んだ側としてはちょっと満足できないのも分かります。
ただ、無理に感想を引き出そうとするのは、親の自己満足です。
また、お話の途中で感想や意見を求めることは、絵本の世界に入り込んでいる子どもたちを現実に引き戻してしまうことにもつながるので、注意しましょう。
絵本の読み聞かせをしやすくなる環境づくりをしよう
これまで絵本の読み聞かせのNG行動や、絵本を読んでいるときの具体的なコツを見てきました。
他にも、環境を整えることで子どもが集中して絵本を聞いてくれるようになるポイントがあります。
簡単にできることなのでぜひ実践してみてくださいね。
朝や寝る前など読み聞かせをする時間帯を決めて習慣化する
読み聞かせをするタイミングは、各家庭が取り組みやすい時間帯でOK。
ここで大切なのは習慣化するということです。つまり、読み聞かせを生活の一部にするのがポイントと言えます。
例えば、寝る前は絵本を読んでもらえることが子どもの中で習慣化されると、自分から絵本を読んでと持ってくるようになったりもしますよ。
スマホやテレビ、おもちゃなど刺激の強いものが少ない空間を選ぶ
絵本以外に子どもの興味が移ると、途中で読み聞かせを聞かなくなってしまうこともあります。
特にスマホやテレビなどは刺激が強く、読み聞かせの最中で音やバイブが鳴ると注意が絵本からそれてしまいやすいです。
読み聞かせの間はスマホの電源を切るorマナーモードにする、テレビの無い部屋で読み聞かせを行うようにするなど、静かで落ち着いた環境を選びましょう。
身体を動かして遊ぶ時間も確保する
幼児期の子どもは、発達のために身体を動かすことも大切です。
特に0歳から6歳までの間に、神経系の発達は約8割完成してしまいます。
時には外に出て身体を思いっきり動かして遊び、時にはゆったりと落ち着いた空間で絵本を楽しむなど、遊びの時間のバランスを取るようにしたいものです。
読み聞かせを聞いてくれないのは何かしら理由がある!
【読み聞かせは読み手の努力と環境づくりが求められる】
- 読み聞かせの雰囲気を作る
- 読み聞かせ中は見やすさや聞きやすさに気を付ける
- むやみやたらに感想を聞こうとしない
- 家で読み聞かせをする時間帯や場所を決める
- 刺激の少ない落ち着いた環境で読み聞かせをする
読み聞かせのNG行動や、読み聞かせのコツについて紹介してきました。
疲れている時に子どもにせがまれ、仕方なしに読み始めたら子どもがすぐに聞かなくなる…なんてこともありますが、それはきっと読み手か環境に原因があります。
ちょっと場所を変えるだけでも真剣に聞いてくれることもあるので、めげずに読み聞かせしてあげるようにしましょう。
ちなみに、父親が読み聞かせをすると効果があるといった研究もあります。この研究と効果については別の記事で詳しく書いているので、ぜひこちらも読んでみてください。