TOEICは学生から社会人まで幅広く受験される英語検定試験。
目標とするスコアは人それぞれですが、730点を最初の目標に掲げるという人は多いのではないでしょうか。
本記事では、TOEIC730点の難易度や取得するメリット、勉強法やおすすめ参考書などを紹介していきます。
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TOEIC700点と730点の違いって何?730点取得者の割合は?
TOEIC730点は、多くの企業が採用用件の一つとしていたり、大学入試に利用できるスコア。社会的な評価を得られる最低ラインと言えるでしょう。
730点と聞くと中途半端な気もしますが、700点と比べると点数の差以上に評価に差がつくことも。
まずは730点がどのような評価のされ方をしているのか、取得者の割合などを説明していきます。
TOEIC公式では730点~860点がBランクの英語力と認められている
TOEIC公式サイトによると、730点は860点に次ぐランクBと評価されています。
ランクBの評価の要点は以下の2点。
- 通常の会話では話題が多岐に渡っても対応できる力があり、ビジネス英会話でも大きな支障はない
- 正確さや流暢さに個人差があり、文法や構文にミスがあることもあるが、コミュニケーションに大きな問題はない
ビジネスシーンを含むあらゆる状況でも、適切なコミュニケーションが取れる下地があるとされています。
TOEIC730点以上の取得者の割合はおよそ20%
TOEIC2019年度のスコア分布をみると、公開テストで745点以上取得した受験者の割合は20.7%。
つまり、TOEIC730点取得者は全受験者の上位およそ20%です。(参考:ETS 「2019年度受験者数と平均スコア」)
Aランクの860点は上位7.8%未満なので、それに比べたら目指しやすいスコアと言えるでしょう。
TOEIC730点のレベル(難易度)を英検やIELTS、TOEFLと比較
TOEIC730点というのは、ビジネスにおいても一定の評価を受けられるスコアであることが分かりましたが、その他の検定試験と比較した場合、どのような位置付けになるのでしょうか。
ここでは、TOEIC730点を英検やIELTS、TOEFLのスコアに換算してそれぞれの試験と比べていきます。
TOEIC730点は英検でいうと何級相当?
TOEICの公式が2013年に発表した、「英検取得級別受験者数と平均スコア」によると、英検準1級取得者のTOEIC平均スコアが716点なので、730点というのは英検準1級に相当すると言えます。
英検の公式によると、準1級は大学中級レベルに相当。
730点もそれに近いレベルと思われますが、2019年度の学生のTOEIC平均スコアは567点であることから、実際の難易度は大学生なら簡単に取れるというようなレベルではないでしょう。
TOEIC730点はIELTSのスコアでいうと?
TOEIC730点はIELTSに換算すると、5.5〜6.0といったところ。
日本でIELTSを運営している英検協会によると、正確さや表現の適切さに多少難はあるが、概して効果的に英語を駆使できるレベルとされています。
海外での評価については、中級のやや上といった程度なので、ビジネスの即戦力としてすぐに活躍できるとは言えないでしょう。
TOEIC730点はTOEFL iBTSのスコアでいうと?
資料によって換算スコアは異なりますが、TOEFL iBTと比較した場合、TOEIC730点は70点前後に相当します。
TOEFL70点というのは、海外の一部の大学には出願できるレベル。海外の有名な大学を受験するには、もう少し努力が必要とされる英語力です。
TOEIC730点を取得すると入試や就活・転職で有利になる
TOEIC730点は、海外での進学や就職を基準に考えると、正直やや物足りない印象ですが、日本国内となると話は別。
入試や就職、転職など多くの場面で充分アピールできるスコアです。
ここでは、730点を取得することで、実際にどのようなところで役に立つのかを紹介していきます。
TOEIC730点を出願要件の一部にしている大学が多い
TOEICを入試に活用している大学は意外と多いもの。
以下、出願要件や入試の点数加算要件にTOEICスコアを利用している大学をいくつかリストアップしました。
- 明海大学(経済学部他)/TOEIC L&R 730点以上:みなし満点
- 独協大学(法学部他)/TOEIC L&R 720点以上:出願要件
- 青山学院大学(総合文化政策学部)/TOEIC L&R 550点以上:出願要件
- 玉川大学(全学部)/TOEIC L&R 550点以上:出願要件
- 東海大学(工学部)/TOEIC L&R 450点以上:出願要件
*みなし満点:利用対象となる試験・教科の成績を満点とみなすスコア
TOEICで730点を取得していると、受験できる大学の幅が広がったり、英語の試験が実質免除になる大学もあり、受験生は大いに有効活用できそうですね。
企業が期待しているスコア(535点~560点)を上回っている
TOEIC公式が公開している「英語活用実態調査2019」によると、企業が新入社員に期待しているTOEICスコアの平均は535点、中途社員については560点です。
730点はそれぞれを上回っているので、新卒でも既卒でも立派なアピールポイントになります。
また、海外部門で求められるスコアの平均は690点であり、730点を取得しておけば、海外向けのビジネスを経験したい人にとってもアドバンテージとなるでしょう。
教員採用試験では多くのエリアで一次試験の免除や加点の対象に
TOEICは多くの自治体の教員採用試験でも広く活用されている試験です。
たとえば岐阜県では、中学校教員採用試験において、TOEIC730点以上のスコアを持っている人は第一次選考の専門教科が免除されます。
他にも選考試験で一部試験の免除や加点を受けられる地域は多くあり、教員を志す人にとってはかなり有利になるといっていいでしょう。
(参考:ETS TOEIC「教員採用試験における活用状況2019」)
TOEIC730点を取得を目指す勉強法、参考書
努力することは当然のことですが、TOEICで730点を目指すにあたって、できれば回り道せずに最短距離で取得できればうれしいですよね。
ここでは、TOEICの勉強法や参考書についてなど、730点を取得するために知っておくと便利な情報をいくつか紹介します。
なお、ここで紹介する教科書はTOEIC対策のコーチングスクールでも勧められている本です。
TOEIC学習に適したアプリについては以下の記事を参考にしてください。
TOEIC730点の取得に必要な勉強時間を確保
TOEICの勉強を始めるにあたり、まずは今の自分のレベルを確かめることが第一歩。
TOEICを受けたことがない人であれば、後述する公式問題集や模試が収録されているテキストを使って本番同様に時間を測ってレベルチェックをしましょう。
TOEICのスコアが350点ほどの初心者レベルから730点を取得するには、約950時間の学習が必要になるというデータがあります。
これは1日3時間勉強したとして、10ヶ月〜11ヶ月ほどの期間が必要になるということ。
初心者から始めた場合、1日の勉強時間にもよりますが、思った以上に長期戦になると考えなければいけません。
自分の生活スタイルを考え、長い目で見て無理なく勉強できるスケジュールを立てることが大事です。
勉強時間と目標スコアの関係については以下の記事を参考にしてください。
TOEICで目標の点数を取るために必要な勉強時間の計算目安!500点、600点、700点、800点、900点まで一気に紹介!
英単語におすすめの参考書
筑波大学の研究によると、TOEIC公式問題集1〜6に出てくる単語の数は3,863語。
中学の教科書で使われる単語でTOEIC単語をカバーしている割合は、30〜35%、高校の教科書で使われる単語でも65%程度にとどまっています。(参考文献:筑波大学)
このことからもわかるように、TOEICの学習では英単語の学習が非常に重要です。
以下、730点を取得するためにおすすめの単語帳を紹介します。
なお、ここで紹介する単語帳はどちらも音声ダウンロードが可能。正しい発音を身につけながら単語を覚えられるものだけを選びました。
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ
最初に紹介するのはTOEIC® L&R TEST出る単特急 金のフレーズ。
TOEICで100回近く満点を取っている、TOEIC講師のTEX加藤先生が出している単語帳です。
TOEICで頻出の1,000単語を、本試験でも使われる短いフレーズと一緒に覚えられる作りになっています。
中身は目標スコアごとに分かれていて、860点や990点のゾーンはかなり難しい単語もありますが、1冊マスターすればかなりの語彙力が身に付くでしょう
【音声DL付】キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 800
キクタンTOEIC(R) L&Rテスト SCORE 800は目標スコアごとに分かれている単語帳です。他にも500点、600点、990点向けが発売されています。
1回の学習単語数が16単語に限定されているので、トイレに入っている数分のスキマ時間などでも勉強ができるのが特徴。
収録語彙数は1,120語ですが、他のスコアのものとほとんど単語が被っていないので、できれば実際に本を手に取ってみて、自分のレベルにあったものから始めるのがおすすめです。
英文法の基礎固めにおすすめの参考書
TOEICで730点を取得しようと考えた場合、高校卒業程度の英文法の知識は網羅している必要があります。
文法問題が出題されるPart5以外にも、リスニングとリーディングにも大きく関わる分野なので、しっかり基礎固めをしておくことが大切です。
以下、文法力を高めるためにおすすめの教科書を紹介します。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
TOEIC文法書のベストセラーとして有名なのが、TOEIC L&Rテスト 文法問題でる1000問。
2017年の出版以来、紀伊國屋など大手の本屋で最も売れているTOEIC文法書として有名です。
著者は金のフレーズで紹介したTEX加藤先生。でる1000問では、Part5に対応する文法問題を1,000問以上も収録しています。
解説パートでは選択肢をそれぞれ詳しくチェックし、間違った選択肢がなぜダメなのかも細かく説明されているので、間違えた問題も理解しやすいのが特徴です。
1駅1題 新TOEIC TEST文法特急
1駅1題 新TOEIC TEST文法特急は、TOEICで頻出の問題を118問に絞って収録しています。
文法の参考書はかさばるものが多いのですが、これは片手に収まる程度のコンパクトなサイズ感。
問題数が少ないので、試験前の最後の追い込みに使ったり、通勤通学中に利用し、暗唱できるぐらいまで読み込むといった使い方がおすすめです。
リスニング・リーディングにおすすめの参考書
リスニングとリーディングはTOEIC L&Rのメインであり、すぐに目に見える成果が出にくいところです。
何度も問題集を解いて、時間をかけながら身につけていきましょう。
以下、リスニング・リーディングにおすすめの参考書を紹介します。
TOEIC Listening & Reading 公式問題集
まず外せないのはTOEIC公式問題集。
TOEIC運営元のETSが販売している問題集であり、本番同様の200問の模擬試験が2回分収録されています。
公式のものだけあり、実際のテストと遜色ない内容の問題を解くことができる良質な参考書です。
公式問題集は現在1〜6まで発売されていますが、序盤のものは現在行われている本試験に比べて難易度がやさしすぎるという口コミもあるので、できるだけ新しいものを利用するのがいいでしょう。
TOEIC L&R TEST読解 特急2 スピード強化編
2016年に新形式に変わって以来、TOEICではPart7の問題数が増え、今まで以上に速読力が求められるようになりました。
そこでおすすめするのがTOEIC L&R TEST読解 特急2 スピード強化編。
Part7で出題されるタイプの、シングルパッセージの問題を集中的に勉強できる参考書です。
問題文を読む時間を測っておけば、巻末にあるwpm (word per minute)換算表で1分当たりに読める単語数をチェックできます。
wpmを記録しておけるページもついていて、日々の成長を実感しながら学習を進めることができるので、モチベーションも維持しやすいでしょう。
TOEIC730点を取得するなら英会話スクールがおすすめ
転職や昇進などのため、短期間でTOEICハイスコアを取らなければいけない人もいるかもしれません。
そういった人におすすめなのはやはり英会話スクール。モチベーションの問題、伸び悩みの問題を解決してくれる一手になります。
料金は高いが短期間で効果が望めるコーチング英会話スクール。
体系的なカリキュラムに基づいたレッスンを週1~2回対面で受けることができる英会話教室。
格安(月6千円程度)で毎日マンツーマンレッスンを受けることができるオンライン英会話。
もし一人での勉強に行き詰まったら、これらの利用も検討してみると良いでしょう。
TOEIC730点取得には時間がかかるけど計画を立てて挑戦する価値は大
TOEIC730点は進学や就職に役立つスコアです。
初心者から学習を始める場合には、ある程度の期間が必要ですが、正しい努力をすれば誰でも到達できます。
英語を自分の武器にしたい人は、きちんとプランを立ててぜひチャレンジしてみましょう。