英語講師なら知っている人も多いTESOL。
オンライン英会話を探していると、結構な頻度で「TESOL有資格者」という言葉を見かけます。
また他にもTEFLやTESL、CELTAやDELTAなど、似たような名前を見たこともあるのではないでしょうか。
本記事ではTESOLとはいったい何なのか、TESOLを取得するメリットや他の資格との違いなど、TESOLについて徹底的に解説します。
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TESOL(テソル)とは
TESOLは、英語を母国語としない人々への英語教授法のことです。
正式名称は「Teaching of English to Speakers of Other Languages」。
日本では「TESOL有資格者」などという言葉で使われることが多いので、TESOL自体が資格かと思ってしまいますが、厳密には「〇〇学」のような教授法自体のことを指します。
TESOLという英語教授法を学び、結果として「TEFL」や「TESL」という資格を取った人が「TESOL有資格者」と呼ばれるのが正しい使い方。
オンライン英会話スクールの中には「講師はTESOL有資格だから教えるプロです」というような感じで、TESOLを取得していることを売りにしているところが結構多いですよね。
第二言語として英語を教える講師を目指す人にとっては、役立つ資格と言えるでしょう。(TESOLの種類は後述します)
TESOLの資格(TESL、TEFL)やCELTA、DELTAとの違い
TESOLに関連する資格は、大きく分けるとTESLとTEFLの2つ。
また同じような名前でCELTA、DELTAという文字を見かけたことがあるかもしれませんが、これらもまた英語教授法に関する資格です。
ここではそれぞれの違いについて詳しく説明します。
TESLは英語圏の国(公用語が英語)で第二言語として英語を教える資格
TESLは「Teaching English as a Second Language」の略。
たとえばアメリカやカナダ、フィリピンなどの英語が公用語になっている国で、母語が英語でない人(移民者や留学生など)に第二言語として英語を教える資格です。
TEFLは非英語圏の国で英語を教える資格
TEFLは「Teaching English as a Foreign Language」の略。
日本をはじめ、タイやベトナムなど非英語圏の国で英語を教える資格です。
日本で日本人を相手に英語を教える時は、TEFL資格があると役立つかもしれませんね。
CELTA、DELTAはTESOLより国際評価が高い資格
CELTA(The Certificate in English Language Teaching to Adults)やDELTA(Diploma in English Language Teaching to Adults)は、ケンブリッジ大学英語検定機構が認定している資格。
TESOLの2つに比べて認知度や国際評価が高いです。(DELTAは大学院修士号と同等資格として認定される)
実際にCELTA有資格者を求める企業はヨーロッパで約3分の2、イギリスにおいては約9割を占めています。(参考:ブリティッシュカウンシル)
TESOLのプログラム内容や取得期間、必要な英語力
TESOLは学士、修士などの学位として習得する方法と、サーティフィケート(コース修了認定証)として習得する方法があります。
学位として取るには大学などで1~2年かける必要があり、実習を重ねるのが特徴ですが、コース修了認定証を取得する場合は、数週間~3カ月程度の短期プログラムも多いです。
具体的に学習する内容や必要な英語レベルについて見ていきましょう。
TESOLプログラムで学習する内容
大学院などの機関によって、プログラムにはかなり差があるのが現状ですが、いくつか学習項目を挙げてみましょう。
- 英語4技能に関する教授法
- 発音矯正の教授法
- 異文化理解
- 第二言語習得理論
- プレゼンテーション方法
- 評価法
- 教材の見つけ方
- 教育実習など
TESOLでは英語の学習項目についての教授法のほか、異文化やコミュニケーション論なども学びます。
また、ディスカッションを取り入れながら学習することが多いのも特徴です。
座学で知識を身に付けたら、実践授業。生徒のレベルや年齢を考えながら、自分でカリキュラムを構築します。
生徒からの質問や問題点を想定し、時間通りに進まなかった場合の解決策まで考える必要があるので結構ハードです。
TESOL取得に必要な英語のレベル
TESOLを取得するためにはTOEIC 800点以上の英語力が必要と言われています。これは英検で言うと準一級レベル。大学中級程度の英語力で、社会生活において困らないレベルです。
サーティフィケートではここまで高いレベルを求められないこともありますが、学位取得のプログラムの場合、出願条件の英語レベルが高いことも多いので覚悟しておきましょう。
TESOLの資格を取得するメリット、デメリット
TESOL資格を取得するメリットは以下の通り。
- 英語教授法のスキルが身に付く
- 英語教育に関わる就職に有利になることがある
- 資格があることで生徒に安心感を与えられる
TESOLを取得するメリット
まずはメリットから紹介します。
英語教育に関わる就職に有利になることも
TESOLの資格を取得すれば、英語教育に関わる就職や転職で有利になることも。
全く資格のない人よりは、資格を持っている人の方が企業としては好印象ですよね。
また、教えられる相手にとっても安心感があるでしょう。
身に付けたスキルを活かせる
身に付けたスキルを活かせるのもメリットです。
どうやって英語を教えればいいのか、良いテキストの見つけ方が分かれば、人に教えられるだけでなく今後の自分にも少なからず役立ちます。
また実践授業で学んだ、レッスンをプランニングするスキルやプレゼンテーション力、ディスカッション力も活かすことができるでしょう。
英語のスキルアップになる
英語を学びたい人とコミュニケーションする手段はすべて英語。
英語を教えることで、自分の英語のスキルアップも臨めます。教わるより教える方が学べるものですよね。
TESOLの資格を取得するデメリット
次にデメリットを紹介します。
資格取得に時間がかかる
TESOLの資格は、短期のプログラムだとしても数週間~数カ月かかります。学位習得には数年かかるので、簡単に取得できるものではありません。
英検やTOEICのように、自分で勉強しておけば後は試験を受けるだけ…というものであれば、早くて1日で終えてしまえるのですが、そうはいかないのがデメリットでしょう。
就活では学位の保持者が認められるケースが多い
せっかくTESOLの資格を取得しても、学位保持者が認められるケースが多いのが現実。
そのためサーティフィケートの修了認定証があっても、それが活かせないということも考えられます。
ただ専門知識があるとして見られるため、まったく学習経験がない人よりは有利でしょう。
世界的に認められているのはCELTAやDELTA
国際資格として認められるのはCELTAやDELTA。TESOLよりも需要が高いです。
TESOLを取得していても、CELTAを取得している人にはかなわないでしょう。
TESOLはどこで習得できる?かかる費用はどのくらい?
TESOLを習得できる場所は以下の通りです。
- 海外の語学学校
- 日本の大学や大学院
- オンライン
それぞれかかる費用と併せて詳しく見ていきましょう。
海外の語学学校
TESOLは海外の語学学校で取得することができます。
- カナダ
- イギリス
- ニュージーランド
- オーストラリア
- フィリピン
上記の国は一例ですが、海外だと物価の違いで授業料も大きく変わります。
たとえばカナダの学校「VIC Career Campus」のTESOLコースでは、サティフィケートを4週間で、授業料は$1,590、教材費は$170。日本円にすると約19万円。そのほかに滞在費などがかかります。
一方フィリピンの学校「CELLA」の場合、授業料は4週間で6万円から。料金が3分の1ですね。
安く受けたい場合はフィリピンなど物価が安いところで受けた方がいいでしょう。
日本の大学や大学院
大学院として設けられているTESOLコースであれば、修士号や博士号を取得できます。
TESOLを学べる日本の大学や大学院の例を挙げてみましょう。
- 神田外語大学(言語科学研究科)
- 立教大学大学院(異文化コミュニケーション研究科)
- 上智大学大学院(外国語学研究科)
- 立命館大学大学院(言語教育情報研究科)
国内大学の場合は、入学金が30万程度、授業料は年間70万円程度が必要です。
オンライン
わざわざ海外に行ったり、名門大学に入学しなくてもオンラインプログラムを受講すれば、費用は抑えることができます。
たとえば神田外語Extensionではレベル別に2つのコースに分かれ、どちらも6カ月のプログラム。料金は入会金込みで約70万円~90万円です。
授業を受けるだけでなく、セミナーの参加費やテスト、課題などが料金に含まれています。
実際はTESOLより国際的に認められる資格がある
TESOLは母国語ではない人に英語を教えるための教授法で、資格としては「TESL」「TEFL」に分かれます。
ただ実際はケンブリッジ認定のCELTAやDELTAの方が認知度も高く、国際的に認められている英語教授の資格です。
講師としてさらなる資格を求める人には役立つかもしれませんが、プラスアルファで資格を取るならまずはCELTAを狙ってみてはいかがでしょうか。