子ども自身の口から「塾に行きたい」「もっと勉強したい」という言葉が聞ければ1番良いのですが、自分の将来について、必ずしも本人からしっかりとした意見が聞けるわけではありません。
小学生の段階では、自分の将来や進路について、まだまだイメージしづらい部分でもあるので、親が判断してあげた方が良い場合もあるでしょう。
本記事では「小学生はいつ頃から塾に通うのか」「塾に通うならいつから通えば良いのか」などについて詳しく紹介します。
小学生はいつから塾に通う?
文部科学省の令和元年学習費調査を参考にすると、公立小学校の場合、塾に通う子の割合は全体の約4割、私立小学校の場合は7割という結果になっています。
早ければ1年生から塾に通う子もいるようですが、一般的には4年生のタイミングで通塾率がグッと高くなります。
小学3年生が終わる2月頃(小4~)から塾に通いはじめる子が多い
小学3年生の終わり、つまり小学4年生から塾に通いはじめる子が多い理由は、以下の通りです。
【小4から塾に通い始める子が多い理由】
- 小学4年生から、本格的に中学受験の対策が始まるから
- 3年生~4年生になると、苦手科目がでてくるようになるから
一般的な塾では、小学4年生から本格的な中学受験対策のコースが始まることが多く、中学受験を視野に入れている人は、小学4年生から塾に通う子が多いようです。
大手の塾でも小4からの入塾を推奨しているケースが多いです。
また「小3の壁」という言葉もある通り、小学生低学年までは楽しく勉強ができていたのに、3年生、4年生になると苦手科目がでてくるようになります。
たとえば、算数では「時間と距離の問題」であったり、国語では文章を理解する読解力が求められるなど、勉強がちょっと難しく感じるようになる時期なんですね。
勉強についていけなくなると、本人も自信を無くしてしまうので、「勉強で挫折させない」という意味で塾に通わせている家庭もあるでしょう。
塾に通うのは早ければ早いほど良いの?5年生、6年生だと遅いの?
結論からいうと、塾に通うのが早いとか、遅いというのはあまり気にする必要はありません。
そもそも、塾に通うこと自体が絶対なわけではないですから「親が子どもの学習を見てあげられる環境が整っている」「子ども自身が学校の勉強についていけている」のであれば、問題ないのです。
ただ中学受験を考えている場合、通う時期は考えた方が良いかもしれませんね。
先ほども触れた通り、タイミングとしては小学4年生から塾に通う子が多いので、6年生から塾に通うとなると、その時点で既に2年の差が生まれてしまいますし、対策する上での時間が足りなくなってしまう可能性があるからです(もちろん自宅で完結できるのであればそれで問題ありませんが)。
ちなみに人気のある塾だと小5・小6からの入塾を断られるような場合もあるようです。
いずれにしても小学4年生に上がる前のタイミングで一度「将来や進路について」「学校の勉強について」親子で話してみるのが良さそうです。
低学年(1年生・2年生・3年生)から通うのはどう?
1年生から3年生の低学年であっても塾に通っている子はもちろんたくさんいますし、以下のメリットもあります。
- 勉強に対して自信がつき、その自信が好循環を生む
- 先取学習ができる
- いい意味で対抗意識が芽生える
- 他校に友達ができる
低学年の段階で勉強につまづいてしまうと、わからない⇒つまらない⇒やらない⇒わからないという悪循環に陥ってしまい、勉強に対する意欲がなくなり長期的に悪影響を及ぼしかねません。
しかし塾に通うことで、自然と勉強する機会が生まれ理解も進みますから、そういった悪循環に陥ることなく、むしろできることがさらなるモチベーションに繋がってくれます。また先取学習ができることも同様のことに繋がります。
また子供の性格による部分が大きいですが、塾に通っているレベルの高い子に対して対抗意識が生まれることで、より勉強に励むきっかけになるといったこともありますね。
ただ良いことばかりではありません。以下のようなデメリットがあるので注意が必要です。
- 子供がストレスを感じ、勉強自体が嫌いになる
- 学校がつまらなくなる
子供によっては、塾に行くということ、そして塾の為に自宅で勉強することを大きなストレスと感じてしまうこともあります。
塾とそれに伴う自宅学習、さらに他の習い事もあるとなると遊ぶ時間はかなり少なくなってしまいます。低学年の子の場合は寝る時間も早いですからね。また周りは塾に通っておらずに放課後は遊べる子が多いということで不満を感じる子もいます。
そういった気持ちが勉強嫌いに繋がる可能性があるということは親として覚えておかなければなりません。
またもう一つ、学校の授業がつまらなくなるというデメリットもあります。塾で先取して全てわかっている内容を学校の授業でやるということに対し、低学年の子だと割り切れないかもしれません。
いずれにしろ、低学年の子を塾に通わせる場合はしっかりと子どもの心も気遣う必要があるでしょう。
そもそも、うちの子は塾に通う必要ある?塾に通った方が良い子の特徴とは
「そもそも小学生から塾に通う必要ってあるのかな」「うちの子にはどうしてあげるのが良いのか」と悩んでいる親も多いはず。
以下の塾に通った方が良い子の特徴を参考に判断してみては、いかがでしょうか。
【塾に通った方が良い子の特徴】
- 中学受験をする予定がある(志望校が決まっている)
- 学校のテストで70点以下の科目が目立ってきた
- 学習の習慣が身に付についていない
- 親が勉強を見てあげる時間が取れない
以下、それぞれの項目について、詳しく紹介します。
特徴1|中学受験をする予定がある(志望校が決まっている)
中学受験をする予定がある・志望校が決まっている場合、学校のテストの点数がほとんど100点で、勉強が得意な子であっても塾に行った方が良いと言われています。
塾には各中学校の過去入試問題のデータがあるため、それを参考に対策をしてくれたり、子どもの成績や理解力に合わせて、合格に向けた学習計画を提案してもらえるからです。
(塾に行かない場合、親自身が調べて対策しなければならない・合格までの計画を考えなきゃいけないので、かなり大変。)
また、塾で入試の模擬試験を受けることで、子ども自身が入試に慣れることができるのもメリットの一つ。
子どもが普段の力を発揮するためにも、塾に通っておいた方が良いでしょう。
特徴2|学校のテストで70点以下の科目が目立ってきた
小学校のテストは、授業で習ったことが出るので比較的簡単に作られていて、平均点は80点以上に設定されているとも言われています。
そのため「90点以上は勉強が得意な方」「70点~80点台はケアレスミスの可能性が高いので様子見」「70点以下の場合は、塾に通った方が良い」と判断することができます。
実際、テストの点数に関しては、親自身の「小学生時代の点数」が基準にしている人も多く「95点以上が当たり前」という人もいれば「0点じゃなければOK」という人もいると思いますが。
何よりも小学生のテストで70点以下だと、中学校では、さらに勉強に苦労する可能性が高いので、早めに対処してあげた方が良いでしょう。
苦手なものはとにかく小学校に潰した方が良いです。まだ小学生だからというのはだめ。小学生で苦手意識を覚えてしまうと、苦手⇒つまらない⇒やらないといった悪循環に陥りその先さらに苦労することになる場合が多いからです。
それこそ勉強自体が苦手になってしまうと、中学生以降もかなり頑張らないとずっと苦手です。
小学生であればまだ取り戻しが可能。とにかく今のうちにやるというのが大事です。
特徴3|学習の習慣が身に付についていない
「学校で分からなかったことは家で勉強する」「火曜日と木曜日は勉強する」など学校以外で勉強する習慣が小学生のうちに身につけておけば、中学生になっても少しは安心です。
しかし、この習慣を身に付けるのが、なかなか難しく「宿題をしない」「宿題をしていても他のことに気を取られている」という子もいるでしょう。
塾は「分からない時にすぐに教えて貰える」「テレビやゲームがない」「勉強している他の子ども達がいる」という、勉強には最適な環境です。
また塾をキッカケに「問題が解けることって楽しい」と思ってくれれば、親としては嬉しいですよね。
特徴4|親が勉強を見てあげる時間が取れない
「親が働いている」「勉強を教えるのもだんだん難しくなってきた」などの理由で、親が勉強を見てあげられない家庭もあるでしょう。
また、塾の代わりとして親が子どもに勉強を教えるとなると、問題が解けないことに対して子どもにイライラしてしまったり、逆に甘やかしてしまうこともあり、なかなか上手くいかないこともあります。
そういったときに、塾の手を借りるというのも一つの手段です。
特に、中学受験を考えている家庭では、講師には勉強を支えてもらい、家庭では精神面を支えるという分担ができると親の負担も減るでしょう。
学習塾の種類、学習塾の費用は年間どれくらいかかる?
学習塾は大きくわけると「進学塾」と「補習塾」の2種類の分けることができます。
もう少し細かくわけると、以下の4種類です。
【学習塾の種類】
- 進学塾
- 補修塾
- 総合学習塾
- 専門塾
以下、それぞれの塾がどんな塾か、費用はどれくらいかかるのかについて詳しく説明します。
なお、費用については地域差があり、人口規模が大きいと平均的な費用が高くなる傾向があります。
進学塾・・・中学校受験の対策ができる塾
進学塾とは、中学校受験の対策ができる塾です。
学校の授業の内容を先取りして基礎を習得したり、学校では習わない受験対策の応用問題を習得したりします。
また、中学受験合格が目的なので、学校の授業内容は理解していることが前提となっているため、授業内容のレベルが高いです。
いずれにしても、中学受験を検討している人向けの塾と言えるでしょう。
一般的な進学塾の費用は、公立中学校を目指す場合は年間40万円~60万円が相相場。
私立中学校を目指す場合は、年間90万円~120万円が相場と言われています。
上記は最も費用のかかる6年生の場合の年間費用ですが、4年生・5年生となると、もう少し安くなるでしょう。
さらに夏期講習や冬期講習に参加するとなると、学年に応じて5万円~20万円が加算されます。
補修塾・・・学校の授業をサポートしてくれる塾
補習塾とは、学校の授業をサポートしてくれる塾です。
基本的には、学校のテキストに沿って授業が進行し、ときには学校よりも少し早めに基礎を習得することもあります。
ただ基本的には「学校の勉強を理解する」「テストの点数を上げる」ことが目的の塾なので、勉強嫌いを克服したい人向けの塾です。
一般的な補習塾の費用は、学年問わず年間10万円~20万円が相場となっており、夏期講習や冬期講習に参加するとなると、大体2万円~5万円ほど加算されます。
総合学習塾・・・すべての学年や目的に対応している塾
総合学習塾とは、全ての学年や目的に対応している塾です。
進学塾と補習塾の両方の目的に対応したり、小学生から高校生まで、幅広い学年に対応してるのが特徴。
たとえば「中学受験の視野には入れているが、絶対ではない(悩んでいる途中)」の場合や「子どもの成績によっては中学受験をしなくても良い」など、途中で目的が変わっても対応してもらえます。
塾に通う目的が途中で変わりそうというときには総合学習塾を選んでおくと良いでしょう。
総合学習塾の費用は学年に応じて異なり、低学年は大体年間5万円~12万円、中学年~高学年は年間10万円~20万円が相場です。
専門塾・・・受験や科目(理数・英語・プログラミング)などを専門にしている塾
専門塾とは、受験専門、理数や英語、プログラミングなどの科目を専門としている塾です。
たとえば、「本人が興味を持っているから」「本人の長所を伸ばすため」「将来の選択肢を広げるため」といった理由で専門塾に子どもを通わせている家庭が多いでしょう。
何を専門としてやるかによって異なりますが、専門塾の費用は、大体年間6万円~15万円。
授業形態や、授業を受ける回数によっても料金が異なるので注意しましょう。
参考:塾選びにおける悩みを徹底解説!「PrograBook-学習塾の選び方」
塾は子どもの学習成績や家庭での様子を見ながら検討しよう
記事内でも説明した通り、一般的には小学4年生から塾に通い始める子が多く、中学受験を考えている場合は、塾に行った方が良いです。
また、中学受験を予定していないくても、テストの点数が70点以下の場合や、なかなか勉強の習慣が身に付かない場合は、塾に通うことを検討した方が良いでしょう。
自分自身で判断できない場合は、実際に塾に行って説明を聞いたり、相談すると解決するかもしれませんよ。
いずれにしても、親が普段から子どもの学習の様子を理解してあげるのが一番です。