仕事や海外旅行などのため、大人になってから英語を学びはじめる人はたくさんいます。
しかし、学生時代から英語が苦手だったり、卒業以来英語に触れてこなかった人の中には、勉強の仕方がわからないという人も多いのではないでしょうか。
本記事では、大人が英語を勉強する時に何からはじめたらいいか、どのように勉強を進めていけばいいかなどを紹介します。
大人の英語勉強は何からはじめたら良い?
仕事で英語が必要になった、旅行英会話を身につけたいなど、英語を学ぶ目的は人それぞれですが、まずは基本的な英語力をつけるのが大切です。
目的ごとの勉強は、語彙や文法、簡単な意思の疎通ができるようになってから始めるといいでしょう(具体的な勉強方法については後述します)。
ちなみに、学校教育を受けた日本人が海外でビジネスができるレベルの英語力を身につけるためには、およそ1,000時間の学習時間が必要というデータがあります。
1日に1時間勉強するとしたら、およそ3年かかる計算です。
目標によって学習時間は前後しますが、まずは1,000時間を目安に学習計画を立てるとわかりやすいでしょう。
また、英語学習に使える予算が多い人はオンライン英会話や英会話教室、コーチングスクールなどのサービスを利用することで完全独学よりも効率よく勉強を進めることができます。
英語超初心者におすすめの英語勉強方法や流れ
英語学習は、英語の知識や音などを吸収するインプットから始めて、身に付けたものをアウトプットするというのが基本です。
学習の流れは以下の通り。
【初心者におすすめな学習の流れ】
- 単語や文法を勉強して英語力の基礎を作る
- 個人で英語を話したり聞いたりする練習をする
- オンライン英会話などで実践的な会話練習をする
これらは必ずしも順番通りに学習するわけではなく、並行することもありますが、大まかな流れとして頭に入れておきましょう。
以下、具体的な勉強方法を紹介していきます。
テキストやアプリ、動画配信サービスなどを利用して英語を勉強する
まずは、単語と文法の学習で英語力の基礎を身に付けるところから始めましょう。
教材は書籍やアプリで手に入れることができます。
単語などの暗記要素がある学習は、アプリで勉強することがおすすめです。
よくミスをする単語を自動的に選んで学習できるシステムになっているものが多く、本と比べて持ち運びしやすいので、単語学習アプリはスキマ時間の学習にも向いています。
英文法に関しては、「中学3年分の英文法」といったようなタイトルで、中学英文法を網羅的に学べるものを選びましょう。
教材はあれこれと手を出すのではなく、1つのものを何周もこなして完璧に仕上げることを意識してください。
また、動画配信サービスを見て勉強するのもおすすめです。
たとえば、Youtubeでは様々なバックグラウンドを持つ配信者が英語の学習方法を解説しています。
単語の覚え方や文法解説といったものから、洋楽を利用した勉強の仕方、スラングの解説など様々な分野があり、飽きずに勉強できます。
覚えた英語を使ってみる
単語と英文法が身に付いてきたら、今度は実際に使ってみましょう。
いきなりオンライン英会話などで外国人と話そうとしても、緊張もあってうまく言葉が出てこないことが多いので、「瞬間英作文」「独り言英会話」などのトレーニングで英語を話すことに慣れるのがおすすめです。
瞬間英作文は、日本語で書かれた文章を瞬時に英語に翻訳して話すトレーニングです。
「どんどん話すための瞬間英作文トレーニング」など、初心者向け瞬間英作文の教材がたくさん出版されています。
独り言英会話は、教材なしでもできるトレーニングで、以下のような内容が初心者にはおすすめです。
【一人事英会話の内容】
- 目についたものを英単語で口に出す
- 自分の行動を英語で実況したり、英語で1日を振り返ってみる
- 他人の行動などを英語で客観的に説明する
最初からまとまった文章を話すのは難しいので、まずは目についたものを英単語で口に出すところから始めましょう。
慣れてきたら自分の行動や感情を話す練習をして、最終的には自分自身以外の事柄も英語で表現できるようになるのが目標です。
英語に聞くことに慣れる
話すことに慣れると同時に、英語を聞くことにも慣れておきましょう。
リスニングを勉強する時には、まず日本語で話の内容を理解しておくことが重要です。
あらかじめ内容を知った上で英語を聞くと、聞こえてくる単語から話の内容を類推する力がつくようになります。
初心者のうちは英会話をしていても、相手の言ってることが完璧にわからないので、話の概要を掴むという能力が非常に大事になります。
英語を聞くことに慣れてきたら、徐々に細かい部分にも気を配るようにしていきましょう。
英会話教室やオンライン英会話を利用しながら、英語力を身に付ける
英語を話すこと、聞くことに慣れてきたら、オンライン英会話や英会話教室など、実際に人と対面して話す練習をスタートしましょう。
オンライン英会話を利用する場合、最初からフリートークを選ぶと、あまり話せずにレッスンが終わってしまうことが多いので、教材を使ったり、テーマに沿った会話練習を選択するのがおすすめです。
なお、英会話の練習は自分がインプットした英語をスムーズにアウトプットするためのトレーニングです。
十分なインプットがあってこそのアウトプットなので、英会話教室やオンライン英会話を利用している期間でも、英単語の学習や英語の動画を観たりといったインプットは忘れないようにしましょう。
出張など期限が迫られているときは、コーチングスクールを利用する
独学で英語を習得しようとすると、目標に対してどのように学習を進めたらいいかわからないため、どうしても時間がかかってしまいます。
そのため、出張などで期限が迫られているような場合は、コーチングスクールに通うのがおすすめです。
コーチングスクールでは、現在の自分のレベルから目標までのカリキュラムをオーダーメイドで作成してもらうことができ、短期間で英語力を伸ばすことができます。
目標達成に必要な学習内容や自分に適した教材の選択、日々の学習管理もコーチに任せることができるので、独学よりも効率よく勉強できるのが特徴の一つです。
他の英会話サービスよりも費用はかかりますが、コーチングスクールを利用すれば、最初から最後まで独学で勉強するよりも、挫折する可能性は低くなると言えるでしょう。
英語勉強で注意すること・失敗しがちなこと
ここでは、英語を勉強する上で気をつけておいたほうがいいことをいくつか紹介します。
英語を話せるようになりたいからと「とりあえず留学」は勿体ない
英語を短期間で習得するために、語学留学を考えている人もいるかもしれません。
フィリピンやフィジーなどの物価が安い国なら、リーズナブルに短期留学ができるので、思い切って留学にチャレンジするのもいいでしょう。
とはいえ、せっかくの留学ですからできるだけ実りのある経験にしたいですよね。
そのため留学する場合であっても、日本にいる間に、ある程英語力を高めておくのがおすすめです。
英語力がゼロに近い状態で留学に行くと、留学で英語の基礎を勉強する必要があります。
英語の基礎である単語や文法は、独学でも身につけやすい分野です。
事前に英語を勉強しておけば、留学先の英語環境を活かした、より有意義な留学となるでしょう。
見るだけ・聞くだけのインプットでは、英語は話せるようにはならない
英語のインプットは非常に大事です。
英語の動画を見たり、洋書を読んだりすることは、英語力の向上に必ず役に立ちます。
しかし、英語はコミュニケーションのツールですから、一方的にインプットするだけでは英会話は上達しません。
大切なのは、インプットした表現を積極的に自分で使うことです。
「インプット→アウトプット」の流れを徹底することで、知識として覚えた表現を自分で使える表現に変化させることができます。
英会話教室に通うだけでは、英語力は身に付かない
英語力を向上させるために英会話教室に通うのは良い方法ですが、週1、2回英会話教室に通っているだけでは、なかなか英語力は身につきません。
英会話教室は実践の場として考え、それ以外の時間にも自主学習をすることで、実際に使える英語力を身につけることができます。
また、英会話教室に通っている人の中には、目に見える上達が感じられなかったり、レッスンが退屈に感じてしまう人もいるでしょう。
しかし、「英会話教室が自分に合わない」というのは、「自分は英語学習に向いていない」とイコールではありません。
英会話教室が合わなくても、オンライン英会話や動画配信サービスなど、他にも英語を勉強する手段はたくさんありますし、他の英会話教室でレッスンを受けてみたらすごく良かった、ということもあるかもしれません。
学習スタイルの向き不向きは人それぞれなので、行き詰まったら方向性を変えてアプローチしてみましょう。
勉強すればするほど、英語学習は楽しくなる
学習が軌道に乗るまでは大変ですが、初心者であるほど伸び代が多いものです。
自分の成長を感じることができたら、英語学習はどんどん楽しくなっていくので、長い目で見て地道に勉強していきましょう。