積極的に勉強できるような子に育てたいなら、幼児期から学習習慣を身につけさせるのがおすすめです。
そうすることで、小学校以降の勉強に取り組みやすくなり、学んだ知識や経験は子どもにとっても大きな財産となるでしょう。
文部科学省の「人間力の向上を図る教育内容の改善」においても、子どもの「生きる力」を育むために必要な基盤のひとつとして、学習習慣の確立が重視されています。
今回は、幼児期から学習習慣を身につけた方がいい理由やおすすめの学習法、学習の習慣化に欠かせないコツをまとめました。
学習習慣をつけるなら幼児期から!
「学習は小学校に入ってからでも間に合う」と考えておられる方もいるかもしれませんが、それでは遅すぎる場合もあります。
小学生になると必然的に学習する時間や機会が増えます。
ただし、宿題を毎回きちんと出す子と、小学校低学年のうちから宿題の提出が遅れがちになる子との違いは、学習習慣の差が影響している可能性が高いです。
その状態が続くと毎日の宿題を「やらされている」と感じてしまいますし、同じように宿題をやらない子を見て「勉強なんてやらなくてもいいんだ」と考えてしまうかもしれません。
学習習慣はそう簡単に身に付くものではないため、小学校に入る前から習慣化に向けて練習していくことをおすすめします。
幼児期からの学習ってどんなことをしたらいいの?
「学習習慣の確立」と聞くと、何か難しいことをしなければいけないようで不安になりますが、幼児期に始めるべきは、机上学習につなげていくための簡単な遊びです。
幼児期の子どもは、遊びの中から多くのことを学んできます。
学習習慣に結びつけられる遊びについて、いくつか具体例を挙げました。
ブロック遊び
ブロックは子どものイメージ力や想像力、集中力を高めるのに適した玩具です。
実際、子どもの頃にブロックで遊んだ経験のある東大生は多く、経験者の半分は「集中力や、イメージを伸ばすことに役立つと回答した調査結果もあります。(参考:「レゴ育のススメ」)
幼児の集中力はせいぜい年齢+1歳程度といわれていますが、ブロック遊びに夢中になっていくうちに少しずつ集中できる時間が長くなっていくようになります。
また、くっついたブロックを外したり、積み上げたりしているうちに手指の巧緻性も高められるので、ハサミやのりなど道具を使った遊びにも結びつきやすいです。
床遊びから始め、椅子に座りながら机で遊べるようになれば、机上学習をするための習慣づくりにつながることでしょう。
関連:子どもの集中力が続かないのはゲームや椅子が原因?子どもの集中力をアップする方法とは
ペーパー学習
ペーパー学習とは、名前の通りプリントやドリルなどの紙を使って行う学習のことです。
小学校では授業や宿題のなかで当たり前のように行われれるようになるため、入学前と比べて「小1ギャップ」を感じてしまう子も少なくありません。
ですから幼児期から少しずつペーパー学習を取り入れくことで、そういった不安を取り除くこともできるはずです。
教材はこどもちゃれんじや、ポピーなどの通信教材を利用するのもいいですし、100均でも以外とドリルの種類は豊富なので、取り組みやすそうなものから始めてみると良いですね。
絵本の読み聞かせ
習慣づくりに役立つのが、絵本の読み聞かせです。
お風呂に入った後や寝る前に絵本を読むことが習慣になってくると、子どもが自分から絵本を持ってきて「読んで!」とせがんでくるようになります。
つまり、子どものなかで絵本の読み聞かせが習慣化されているわけです。
毎週土曜日はプリント学習に代えるなど、絵本の読み聞かせは続けながらも生活の中に少しずつ学習習慣を取り入れていくようにすると、うまくいくこともあります。
また、「絵本から図鑑にする」「文章の多い絵本を選ぶ」など、絵本の読み聞かせから派生できる学びは多いです。
有名な脳科学者である茂木健一郎先生も、幼少期から図鑑のある環境で育ち、いつも図鑑を眺めて好奇心を膨らませていたと言います。
英語学習
絵本の読み聞かせに興味を向けてくれない子には、英語学習を取り入れるも一つです。
お風呂や歯磨きなどの生活習慣の合間に英語のCDをかけたり、英語のDVDを流したりしていくことで、次第に習慣化されるようになります。
なお、英語の学習を始めるなら、教材は「フォニックス」を中心としたものをおすすめします。
フォニックスとは、英語の発音と綴りの間にある規則性を学ぶことで、正しい読み方を習得する方法です。
フォニックスを中心にした英語教材には、ミライコイングリッシュや、ディズニー英語システムなどがあるので、まずは資料請求をしてお試し教材を取り寄せてみましょう。
家で勉強グセをつけるコツ
幼児の学習習慣をつけるためには、生活のなかにいくつか「決まり」をつくっていくことが大切です。
ただし、あまりにも厳しいルールをつくってしまうと、守ることのほうが必死になってしまい、子どもを叱ってしまうようなことになりかねません。
そこで、家庭で子どもの勉強グセをつけていくためのコツを具体的に挙げていきます。
【勉強グセをつけるコツ】
- 短くても必ず勉強時間を毎日設ける
- 勉強する時間帯を決める
- 勉強する部屋や机を決める
- 学習内容をルーティン化する
- たくさん褒める
- 親の勉強姿をみせる
1日5分でも10分でもいいから必ず勉強時間をつくる
とにかく毎日やることが、学習習慣を身につけるための近道です。
歯磨きや入浴などの基本的な生活習慣は、毎日欠かさずしますよね。
学習習慣も同じで、毎日続けていくことで「勉強するのが当たり前」という感覚が身についていきます。
年末年始や誕生日などイベントのときはつい親も「今日くらいお休みしようかな」と考えがよぎることもあるでしょうが、できるだけ毎日粘り強く続けていくことが大切です。
勉強する時間を決めておく
ルーティーン化することで、子どもは自分で次の行動を予測して動けるようになります。
たとえば我が家では、「おやつのあとは絵本の時間」と決めています。
朝起きてすぐや夜ご飯の前、入浴前など家庭の生活リズムに合わせて決めていきましょう。
勉強する場所を決めておく
勉強する部屋や場所はいつも同じにしておくことも、学習を習慣化するための欠かせないポイントです。
リビングやダイニングなど場所はどこでも構いません。
勉強スペースの近くには、ゲームやマンガなど子どもが気になるものを置かず、あくまでも勉強する場所であることをインプットしていきます。
「ここに座ったら勉強する」と子どもが気持ちの切り替えをできる環境を整えることが大切です。
学習する順番や組み合わせを決めておく
椅子に座ったらまずはプリント、次にブロック遊び、最後は読み聞かせなど、子どもが取り入れやすい順番で構わないので、学習する流れをある程度決めておきます。
一日にすべての学習が取り入れられないという方は、曜日や毎日のローテーションで内容を変更するのも効果的です。
月曜日は英語とさんすうプリント、火曜日は点つなぎとこくごプリントなど組み合わせを決めておくと、飽きることなく取り組めますし、曜日感覚も身につけられますね。
たくさん褒める
学習の際には、間違いを指摘するのではなく、「よくできたね」と積極的に褒めるようにしましょう。
脳科学者の瀧靖之氏は、著書のなかで次のように述べています。
褒めると、脳のある領域―聴覚に関わる領域(側頭葉)と言語の理解に関わる領域(頭頂葉)、感情に関わる領域(前頭葉)に少し変化が出る
引用:瀧靖之『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い」子に育てる究極のコツ』P.213
間違いばかり指摘されていると、子どもは自己肯定感が高まらず、学習が嫌になるかもれませんし、自分の行動に自信がもてなくなって、何事にも消極的になる可能性もあります。
子どもの学習に付き添う際は、間違いか正しいかにとらわれず、子どもの考え方や過程を評価して成功体験を積ませることを意識してみましょう。
関連:日本の子どもは自己肯定感が低い!子どもの自己肯定感を高める方法って?
親も勉強している姿を見せる
学習習慣をづくるには、子どもが学習している間に親が何ををしているかも重要です。
子どもに勉強させながら親はスマホを眺めているようでは、「なんで自分だけが勉強をしているのか」と子どもは納得しませんよね。
子どもが勉強している様子はできるだけ近くで見守り、副読本や読書などをしながら一緒に勉強していくようにしてください。
取り組み後はその日のうちに丸つけをしてたくさん褒めてあげると、子どもも「頑張っているところを見てくれている」と安心して学習に集中できます。
まとめ|学習習慣はすぐに身に付かない!まずは続けることが大切
幼児から学習習慣をつけるためにできることやそのコツについて解説してきました。
ポイントをまとめると、次の通りです。
【幼児の学習習慣をつけるには】
- 遊びを学習習慣につなげる
- 椅子に座って机上学習をする機会を増やす
- 子どもの興味にあわせて集中力をのばす
- 5分でもいいから毎日必ず勉強を続ける
- 学習する時間帯や場所を決める
大人になってから新しく勉強をしようとしても、なかなか続けられくて挫折してしまうことも珍しくありません。
そう考えると「自分で勉強するようになりなさい」と親が言ったところで、子どもが簡単に学習を習慣化できるはずがないのです。
学びを習慣化することは時間がかかるものだと割り切って、まずは取り組めるものから少しずつ始めてみるようにしてみましょう。
しかし実際に子どもの興味や年齢に合わせて教材を用意するのは結構大変です。
通信教材などを利用するのが手っ取り早く、キャラクターが好きな子ならこどもちゃれんじなどの通信教材、タブレットやアプリを使うのが好きな子なら、幼児向けのすまいるぜみをおすすめします。