第二言語習得理論って何?勉強方法やメリットを分かりやすく紹介

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【第二言語習得理論って何?】勉強方法やメリットを紹介、第二言語習得理論に基づいたカリキュラムが受講できる英会話スクール一覧

「第二言語習得理論」とは、人間が母国語以外の言語を学ぶときに、どのように学べば効果的なのか、科学的な観点から解明する学問のことです。

この第二言語習得理論は、オンライン英会話や英会話教室のカリキュラムや英語教材の設計などでも使われることがありますが、具体的に、どのような理論・勉強方法を指すのでしょうか。

本記事では、第二言語習得理論で有名な理論や第二言語習得理論に基づいたプログラムを受けるメリットについて詳しく紹介します。

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目次

第二言語習得理論とは

第二言語習得理論とは、母国語以外の言語を習得する仕組みを脳科学、心理学、言語学、社会学などの観点から、人間が母国語(第一言語)以外の第二言語を習得するプロセスを科学的に解明する学問のことです。

その研究を第二言語習得研究(SLA)と言います。※Second Language Acquisitionの略

以下、第二言語習得理論を代表する考え方や理論について詳しく説明します。

第二言語習得理論1|インプット仮説「たくさんインプットすれば自然と身に付く」

1970年代、言語学者Krashenによって提唱されたのが「インプット仮説」です。

「インプット仮説」とは、文法やボキャブラリーを記憶したり、長文を読んだり音を聞くことにより、頭にいれていく第二言語の勉強方法。

大量のインプットを積むことにより、自然と正しい判断や予測することができるようになるというのがインプット仮説の主張です。

またKrashenは「第二言語を取得する上で十分なインプットがあれば、それだけで十分だ」として、アウトプットは限定的な場でしか必要ないとも主張しています。

現代では「インプットとアウトプットの両方が大事」なんていうのは当たり前のように知られていることですが、この言語学者Krashen「アウトプットはいらん、インプットが大事」という主張なんですね。

参考:The Input Hypothesis: Issues and Implications. Torrance, CA: Laredo PublishingCompany, Inc.

第二言語習得理論2|アウトプット仮説「自分から発信することで、より着実に英語を身に付ける」

Merrill Swainによって提唱されたのが「アウトプット仮説」です。

「アウトプット仮説」とは、記憶や読み聞きをするインプット仮説とは違い、自分から発信する勉強方法

Swainは「インプット仮説では理解ができていなくてもごまかすことができるのですが、話す、書くといったアウトプットではごまかすことはできません。そのためアウトプットである話す、書くをすることで自分の現在の言語力を確認することもできるのです。」と主張しています。

先ほど触れたKrashenのように、インプットを否定するような主張ではないですね。

アウトプットについて、あえて説明すると、アウトプットでは「何を伝えたいのか」「どう伝えるのか」をまず自分で考え、伝えたいことが決まった後に、文章を構成します。(ライティングやスピーキングのときなど)。

アウトプットをすることによって、たとえば「自分の趣味について言いたいんだけど、英語では、どう表現すれば良いんだろう」と、自分が言おうとしていることと実際に話していることの間に差があることに気が付きます

これに気が付くことによって、また、自分が何をインプットすれば良いのか気付くことができる・さらに正しい情報を得ることに力を入れるようになるので、英語を習得するためにはアウトプットが必要だというのがアウトプット理論です。

第二言語習得理論3|インテイク「インプットとアウトプットの中間にあるものも大事」

インプットとアウトプットについては、世間的にも有名ですが、第二言語習得理論を研究するEllisの文献を参考にすると、中間に「インテイク」があるという理論もあります。

インプットとインテックの違い

  • インプットとは既にある情報をそのまま覚えること
  • インテイクとは課題や疑問に対して、自ら理解しようとすること

具体的な例を挙げると、先生が話したことをそのままノートに移して覚えるだけだとインプット。先生が話したことに疑問を持って、辞書などで調べるのはインテイクです。

つまり、英語を習得するまでの流れをザッとまとめると、こんな感じになります。

  1. インプット(他社から与えられる知識や情報をそのまま覚えること)
  2. インテイク(自分で課題や問題を解決したり、理解すること)
  3. アウトプット(自分の知識を確かめるために考えを表現する)

これは、多くの英会話教室や教育の場にも取り入れられている「習得までの流れ」ですよね。

たとえば、英会話教室のレッスンで「今日は英語で挨拶してみましょう」という場面。

まずはインプットとして講師が、「Hello」「My name 」「is」・・・と英単語や英語の構成について説明したり、「My name is Taro.」の次は「Nice to meet you.」だよー、なんて英語のルールを教えてくれます。

その後は、インテイクとして生徒自身が、挨拶のときに自分の趣味や出身国なんかを伝えたかったら、どういえば良いかと考える時間が設けられて、その後に教室の皆で英会話をしてみよう、なんて流れって結構多いです(学校の授業なんかもこういうのが多いですよね)。

第二言語習得理論4|自動化理論「何度も練習を重ねれば自然と身に付く」

第二言語習得論の第一人者であるスパトレ社社外取締役であり言語学者である白井恭弘氏の「英語教師のための第二言語習得論入門」によると、自動化理論とは「何度も練習を重ねるうちに、自然と身についていく」といった理論です。

さらに白井氏は自動化論はインプットだけでなく、気づき(noticing)が必要であることからインプット理論とアウトプット理論の両方が必要であると話しています(これが現代の考え方に近い)。

インプットにより必要な知識を身に着け、さらにインプットでは足りない「気づき」を加えることが必要だと述べています。

自動化理論に基づく、第二言語習得理論とは以下のような流れです。

(例:母国語が日本語である日本人が英語を習得するまでの流れ)

  • 第二言語で書いている文章をなんとなく読むことができる
  • 第二言語で書いている文章を問題なく読むことができる
  • 文章を見なくても、なんとか口に出すことができる
  • 頭で文章を意識しなくても、自然と口に出すことができる

文章を見ながら何度も口に出す練習をすることで、自然と文章を見なくてもスムーズに口に出すことができるといった勉強方法は、第二言語習得理論である自動化理論を取り入れたものです

第二言語習得理論に基づいたプログラムのメリットとは

第二言語習得理論に基づいて英語学習をするメリットは以下の通りです。

  • 科学的根拠がもとにあるから、一定の効果が期待できる
  • 最短で英語スキルを身につけることができる

以下、それぞれの項目について紹介します。

科学的根拠がもとにあるから、一定の効果が期待できる

第二言語習得理論はただの思いつきではなく、専門家が長年かけて研究を重ねることにより発見された第二学語の勉強方法です。

そのため個人的な能力や環境には関係なく、科学的根拠がもとにあるため、正しい勉強方法をしていれば一定の効果が期待できます。

第二言語習得理論はただ語学を勉強するだけでなく、脳科学や心理学などの要素も含んでいて、言語を取得するためのプロセスを追求する考え方でもあるのです。

たとえば、多くの日本人が苦労する「リスニング」、リスニングには音を判断する能力と意味を理解する能力が必要になります。

この両方のプロセスの段階をふんで勉強しないと英語は身に着かない、これは多くの人が既に知っていることですが、その考え方の起源には、先ほど触れたような第二言語習得理論があります。

最短で英語スキルを身につけることができる

根性論だけで、ただやみくもに長時間勉強した場合、トレーニングの中には無駄があることも多く、これでは非効率。

一方、第二言語習得理論を用いて勉強をした場合、一般的な第二言語の勉強方法と違い短い時間や手間で効果が出やすくなっています

これまでの研究結果だと早い人で1か月、通常でも3か月ほどで効果を感じることも。

「これをやったらこうなる」といった理論を理解している状態で努力を続けた方が、おのずと結果がでやすいのです。

また「この勉強方法は効果があるんだ」と思うだけでも、モチベーションを高める意味で効果があります。

「なぜその勉強をするのか」を理解し納得できると、より効果的な勉強ができるのです。

第二言語習得理論は、言語習得には必要不可欠な理論

先ほども触れた通り、改めて内容を聞いてしまえば「インプットもアウトプットも、当然、どっちも大事じゃん」「当たり前のこと過ぎて何のことやら」という感じですが。

それほど世の中に、第二言語習得理論が浸透しているという証拠ですね。

当時は、人間の言語を習得するまでのメカニズムは全く解明されていない時代だったので、大きな発見だったことでしょう。

「第二言語習得理論をもとに、プログラムを作成している」と改めて謳っている英会話教室もありますが、実際はほとんどの英会話教室で取り入れられているはず。

ただ独学となると、インプットばかりでアウトプットがなかったり、アウトプットばかりしていてインプットが足りていなかったり、意外と盲点となっているところもあるかもしれません。

英語を習得する際には、第二言語習得理論を意識しながら勉強してみましょう。

参考:Interpretation tasks for grammar teaching.TESOL Quarterly

参考:Input, Interaction, and the Second Language Learner

参考:日本語国際センター紀要 第14号

参考:Three functions of output in second language learning. In G. Cook & Seidlhofer, B.(Eds.), Principle and Practice in Applied Linguistics 」

第二言語習得理論を活かしたスクールについては、以下の記事を参考にしてください。

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