最近プログラミング教育の人気が高まっていますが、「何からはじめたらいいのか分からない」、と感じている方も多いです。
小学館集英社プロダクションの調査によると、未就学児の保護者の6割以上が「プログラミング教育の小学校必修化に不安がある」と答えています。
(引用:まなびwith PR times)
プログラミング教室に通わせようにも、スケジュールが合わなかったり、月謝が割高であったりしてハードルが高いですよね。
そんなときにおすすめなのが、家庭で学べるプログラミング教材です。
今回はプログラミング教材の人気が高まっている理由や、教材の種類や年齢ごとのおすすめ教材をまとめました。
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なぜ子ども向けプログラミング教材の人気が高まっているのか?
家庭で使えるようなプログラミング教材の人気が注目されている理由として、次の3つが挙げられます。
【プログラミング教材の人気が高まっている理由】
- 小学校でプログラミング教育が必修化された
- 無料や安価で遊べるソフトやアプリが普及した
- STEM教育が注目されている
小学校でプログラミング教育が必修化されたから
2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化されたことにより、プログラミング教室や教材に大きな注目が集まりました。
イーラーニング研究所の調査(※)によると、2020年に子どもにさせたい習い事ではプログラミングが2位にランクインしています。
※参考:イーラーニング研究所調べ
プログラミング教育は中学校でも2021年度、高校では2022年度から全面実施となり、2024年度には大学入学共通テストへも導入予定です。
もはやプログラミングは、文章の読み書きや計算と同じように、社会から求められるスキルとなりつつあります。
関連:プログラミング教育がいらない・無駄・意味ないと批判される一方で、今こそ必要とされる理由
無料や安価で遊べるソフトやアプリが普及したから
プログラミングを学ぶことのできる場は、塾や教室だけに限りません。
最近では、手に取りやすい価格帯で簡単に利用できる教材が増えたことで、家庭用教材の人気が高まっています。
例えば、人気のあるロボット教材「レゴブースト」の価格は2万円前後、マサチューセッツ工科大学が開発した子ども向けのプログラミングソフト「Scratch(スクラッチ)」は無償で利用できます。
STEM教育が注目されているから
STEM教育とは、Science(科学)・Technology(技術)・Engineering(工学)・Mathematics(数学)の頭文字をとった造語です。
STEM教育では4つの学問の視点から、社会にある課題を論理的・創造的に解決して現実社会に役立つSTEM人材の育成を目指しています。
IT化やAIの発展に対応するため、アメリカや中国をはじめとして、世界中でSTEM人材の育成に力が注がれているのです。
日本は世界にやや遅れを取りながらも、STEM教育が導入され始めました。小学校でプログラミング教育が必修化されたのも、実はSTEM教育の一環です。
プログラミングの知識はもちろん、プログラミング学習で得られる論理的思考力や創造性、問題解決力は、社会で活躍するSTEM人材となるために欠かせない力となっています。
関連: STEM教育とは?目的やプログラミング教育との関係性は何?
プログラミング教材の種類
プログラミング教材の種類は、大きく3つに分けられます。
- ロボットプログラミング
- ソフトプログラミング
- アンプラグドプログラミング
ロボットを動かすのか、画面の中の世界を操作するのかなど、目的によって使用する教材が違うため、プログラミング教材を探す際は「何をやりたいのか」をはっきりさせておくことが大切です。
ロボットや工作とプログラミングを組み合わせる
「ロボットプログラミングは」、ロボットなどのハードウェアをパソコンやタブレット上で制御して動かすプログラミング教材です。
センサーやモーターがセットになって販売されている場合が多く、組み立てながらものづくりの楽しさを感じられます。
レゴロボットやニンテンドーラボなど遊び要素の強い教材が多く、実際に動きを確認できるという利点があります。
ソフトやアプリを使ってプログラミングを組む
「ソフトプログラミング」は、ソフトウェア教材とも呼ばれ、専用のアプリやソフトを使ってプログラミングを組みます。
例えば「Scratch」はアプリやソフトのダウンロードが不要で、ブラウザのままプログラミングの学習ができる教材です。
世界中のScratchユーザーが載せている作品を見ることができるなど、一人でもコツコツと取り組むことができます。利用自体は無料なので、気軽に始めやすいのがいいですね。
さらに細かく分けると、ソフトウェア教材は大きく2つに分類されます。
- コードプログラミング
→本格的にテキストを打ち込んでプログラミングするタイプ。 - ビジュアルプログラミング
→ブロックやイラストをつなぎ合わせて簡単に操作できるタイプ。
プログラミングを組まずに使える(アンプラグドプログラミング)
アンプラグドプログラミングとは、コンピュータを使用しないプログラミング方法のこと。
パソコンやタブレットを使わない代わりに、カードやパズルなどを使って、プログラミングの基本的な考え方を学びます。
ボードゲームタイプのものや、絵本など親しみやすい教材が多いので、幼児や小学校低学年など初めてプログラミングを学ぶ場合におすすめです。
おすすめのプログラミング教材は?
ここでは年齢ごとにおすすめのプログラミング教材をまとめました。
幼児(4~6歳)
就学前からプログラミング学習を始めるのは早いのではと感じる方もいるかもしれませんが、幼児期でも無理なくプログラミングを学べる教材は増えています。
親子で遊びながら、プログラミングの基本となる論理的思考や創造力を育んでいきましょう。
Cubetto(キュベット)
(引用:キュベット公式)
Cubetto(キュベット)は、イギリス生まれの木製ロボット(キュベット)とボード・ブロックを使ってプログラミングを体感できる教材です。
6種類のブロックを組み合わせてボードにはめ込むことで、キュベットに動作を指示できます。
対象年齢は3歳から小学生と幅広いです。家族や兄弟で遊びながらプログラミングの基本的な考え方を学べます。
レゴ®ブースト
(引用:レゴ公式)
「レゴ®ブースト」は、レゴが販売している、プログラミング要素を取り入れたロボット教材です。
スマートフォンやタブレットの専用アプリでプログラミングを組み、レゴで自作したロボットを動かせます。
左右や前後に動くような単純な動作だけではなく、色や振動を感知して動かすことも可能です。
7~12歳を対象としていますが、レゴ好きであれば低年齢でも楽しめるでしょう。ただ小さな部品もあるため、ご家庭に3歳以下の子どもがいる場合は誤飲等に注意してください。
Ozbot
(引用:ozbot公式)
Ozobot(オゾボット)は、紙とペンを使ってプログラミングを学ぶことができるロボットです。
線に沿って動くだけでなく、色に応じてスローやスピードアップするなどなど、「指示」と「動き」を視覚的に学ぶことができます。
スマホやタブレット、紙などに線に小さなロボット・Ozobot(オゾボット)を動かせます。
(引用:ozbot公式)
遊ぶようにしてプログラミング的思考力を育むことができるので、幼児でも十分に楽しめるでしょう。
学研 プログラミングカー
学研のプログラミングカーは、「めいれいカード」と「めいれいタグ」を組み合わせることで、プログラミングカーを「ぼうけんマップ」の上で走らせることができます。
プログラミングカーにさせたい動きを自分で考えて動かす過程を通して、やり抜く力・言語化する力・論理的思考力を鍛えられる教材です。
日本おもちゃ大賞2018 エデュケーショナル・トイ部門」で大賞を受賞したのも頷けます。対象年齢は3歳からです。
Viscuit(ビスケット)
ビスケットは、子ども向けにつくられたプログラミング言語の一つです。
ビジュアルプログラミングなので、文字が読めない年齢でも、絵が描ければOK。(推奨年齢は4歳程度から)
アプリをダウンロードすると、アニメーションやゲーム・絵本など自分の好きなものを作ることができます。
無償提供されているので、プログラミング学習の第一歩におすすめです。
関連:Viscuit(ビスケット)はプログラミング初心者にぴったり!
Scratch Jr(スクラッチジュニア)
(引用:Appstore)
Scratch Jr(スクラッチジュニア)は、世界中で使用されているプログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」をベースにしたアプリ。
5歳から7歳程度の子どもでも使えるように、アレンジして作られています。
命令ブロックを組み合わせることで、オリジナルゲームや動く絵本を作ることも可能です。
OS | ダウンロード |
iOS | Appstore |
Android | Google Play |
Minecraft(マインクラフト)
(引用:マインクラフト公式)
Minecraft(マインクラフト)は、世界で販売本数累計2億本を超えているプログラミングゲームで、パソコンやスマホ、タブレット、Nintendo Switchでもプレイできます。
家や畑をつくったり、探検したりと制限なく、自由に遊ぶことのできる内容です。
慣れてきてさらに上を目指すなら、ビジュアルプログラミングでコードを作成することもできます。
マインクラフトはプログラミング教室でも導入しているところが多く、YouTubeでも解説動画などが多く載っているので、参考にしてみると良いでしょう。
関連: マインクラフトは子どもの成長にいい影響があるって本当?
絵本『ルビィのぼうけん』
『ルビィのぼうけん』は、教育大国フィンランド生まれの知育絵本で、世界20ヵ国以上で親しまれている人気作品です。
好奇心旺盛な主人公・ルビィ(ルビィとはプログラミング言語のRubyのこと)が、冒険の中でプログラミングに必要な考え方を学んでいきます。
絵本ですが読むだけではなく、後半には「練習問題」が用意されているので実際に自分で考えて答えを導き出すことも可能です。5歳程度の子どもでも楽しめるように作られています。
6~7歳以降
小学校に上がると、授業でもプログラミングの考え方が出てくるようになります。
使えるプログラミング教材の種類も増えてくるので、子どもの興味関心やプログラミングの習熟度によって教材を選んでみましょう。
ニンテンドーラボ
Nintendo Labo(ニンテンドーラボ)は、任天堂の人気ゲーム機Nintendo Switchとソフト、ダンボールを組み合わせて遊べるゲームです。
ダンボールでロボットやピアノ、つりなど好きな道具を作って、コントローラーと組み合わせることで、実際に使うことができます。
ソフトには自分でプログラミングを組める機能があり、自分でオリジナルの道具を作成してプログラムすることも可能です。
保護者と一緒であれば6歳程度から、ひとりで遊ぶなら10歳程度から楽しめます。
レゴ®マインドストーム
(引用:レゴ公式)
「レゴ®マインドストーム」は、マサチューセッツ工科大学とレゴ社が共同で開発しており、アプリやソフトウェアでプログラミングを組むことで、レゴブロックのロボットを自由に動かせます。
レゴ®ブーストとの大きな違いは、プログラミングの操作が難しい分、複雑な動きをつくれる点です。対象年齢は10歳以上となっています。
embot(エムボット)
(引用:embot公式)
embot(エムボット)は、NTTドコモから生まれた教材で、embotアプリと電子工作キット・ダンボールを組み合わせて遊びます。
ダンボールや紙コップなどの身近にあるもので手作りロボットをつくり、アプリでプログラミングを組むことで、ロボットを動かせるという教材です。
対象年齢は6歳から。操作レベルは5段階用意されており、習熟度によってレベルを上げていくことができます。
関連:embot(エムボット)の価格や口コミ、メリット・デメリットまとめ
micro:bit(マイクロビット)
「micro:bit」(マイクロビット)は、イギリスの大手メディアBBCが主導して開発した子ども向けのマイコンボードです。
マイコンボードには25個のLED、2つのボタンスイッチ、加速度センサーが搭載されていて、パソコンと接続することでプログラムを書き込めます。
イギリスの11~12歳には全員無償配布され、実際に授業でも活用されているそうです。
レゴ® WeDo
(引用:LEGO公式)
「レゴ®WeDo」は、専用ソフトウェアやレゴ、モーター、センサーなどを組み合わせて、自分だけのロボットを作ることのできる教材です。
直感的に操作しやすいので、小学生でも楽しみながらプログラミングが体験できます。
入門~発展プロジェクトまでレベルに合わせた内容も用意されているので、習熟度に合わせてレベルアップすることも可能です。
レゴ®ブースト、レゴ®マインドストームよりもさらに複雑なプログラミングをしたい方におすすめです。
Scratch(スクラッチ)
(引用:scratch公式)
Scratch(スクラッチ)は、マサチューセッツ工科大学が無償公開している子ども向けのプログラミング言語です。
ビジュアルプログラミング言語を用いることで視覚的な操作ができるため、小学生でも扱いやすい教材となっています。
ゲームやアニメーションを作ったり、レゴなどの他のロボット教材を組み合わせたりできるので、遊びの幅を自由に広げられます。
関連:「Scratch(スクラッチ)」は何ができる?ダウンロード要らずで使えるプログラミング教材
Blockly(ブロックリー)
Blockly(ブロックリー)は、Googleが提供するビジュアルプログラミング言語です。
日本のプログラミング教育向けに作られた「Blockly Game」なら、日本語にも対応しており、小学生でも直感的に操作できます。
関連:ブロックリーゲーム(Brockly Game)でプログラミングの基礎知識をつける!
まとめ|プログラミング教育に使える教材はたくさんある!
幼児から小学生向けのプログラミング教材について紹介してきました。
親世代に馴染みがなくて「プログラミングってよく分からないから、とりあえずプログラミング教室に通わせればいいよね…」と片付けてしまう前に、自宅でも何かできないか考えたいものです。
スマホやタブレット、ネット環境さえあれば取り組めるようなものも多いですし、知育玩具として発売されているものもあります。
子どもの興味や関心、予算、目的に合わせたプログラミング教材を選んで、プログラミング的思考を身に付けていきましょう。