フォニックスは、英語圏の子どもたちが英語の音を覚えるために使われるメソッド。
近年、日本でも子どもの英語教育などでフォニックスを使ったトレーニングが注目されてきていますが、フォニックスで英語を学ぶことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。
本記事では、フォニックスの基本的なルールやメリットなどを紹介していきます。
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フォニックスとは日本でいうひらがな50音の英語版
フォニックスとはアルファベットの音の読み方の法則で、ひらがな50音の英語版とも言えるものです。
ただし、フォニックスには文字の名前と音がイコールのひらがなとは異なるルールがあります。
以下、フォニックスの概要を説明していきます。
エービーシーではなくア、ブ、クという読み方で「Z」まで覚える
アルファベットの名前の読み方と音の読み方は一致しません。
「a,b,c」の名前は「エー、ビー、シー」ですが、読み方は「ア、ブ、ク」となります。日本では教えてもらっていない読み方ですね。
また、英語の音には有声音と無声音があります。有声音とは、喉を振動させて出す音のこと。
無声音は喉を振動させないで作り出す音のことで、フォニックスで言えば、c、f、h、k、p、q、s、t、xが無声音にあたります。
無声音と言っても、全くの無音ということではなく、息を吐き出す音は聞こえます。
一つの文字で名前読みと音読みの2種類があるというのは、漢字の音読みと訓読みみたいですね。
読み方にはルールがある
フォニックスには読み方のルールがあります。
フォニックスに従って英語を読むときは、文字の名前で読むのではなく、音の読み方で読むことが原則です。
たとえば、「cat(猫)」をアルファベットの名前で読むと「シーエーティー」ですが、音の読み方にすると「ク、ア、トゥ」。
これらをつなげて読むのがフォニックスの基本ルールです。
アルファベット26種類それぞれに音の読み方があるほか、アルファベットを組み合わせることで、読み方が変化する例外的なルールなどもあります。
フォニックスのルールについての細かい説明は後述します。
暗記と違って難しいものではない
フォニックスを使いこなせるようになるためには、ルールを覚える必要がありますが、1度覚えてしまえば応用が利くので非常に便利です。
たとえば、英単語を覚える時に、やみくもに丸暗記するのは大変ですよね。
フォニックスのルールをマスターすれば、英単語のうち75%以上を読むことができるという研究結果があります。(参考:Research Gate「Everything You Wanted to Know About Phonics」)
ちなみに、フォニックスのルールが当てはまらない約25%の単語は、サイトワード(sight words)と呼ばれています。
フォニックスを用いて全ての単語を読めるわけではないですが、丸暗記と比べて格段に英単語を覚える負担が減るとは言えるでしょう。
フォニックスを学ぶメリット
ここでは、フォニックスを学ぶことで得られるメリットについて考察していきます。
知らない英単語でも推測して発音できるようになる
フォニックスを学ぶと、スペルから音の読み方がわかるようになるので、初めて見る単語でも発音の仕方が推測できるようになります。
英語中級者レベルでも、発音に自信がない言葉をあいまいに発音してしまうのはよくあることです。
フォニックスで音の出し方を学べば、確信を持って発音することができるようになります。
また、英語ならではの無声音などを練習することで、日本語にはない音の発し方ができるようになり、英語の発音自体がきれいになることもメリットの一つ。
フォニックスをしっかり学べば、カタカナ英語で相手に伝わらないということが少なくなるでしょう。
耳で聞いた英単語を推測して書き取れるようになる
フォニックス学習の2つ目のメリットは、耳で聞いた英単語がどのようなスペルで書かれるものなのかイメージがつきやすくなること。
動画視聴やCDなどで聞いた音も、頭の中ですぐに文字に変換できるようになり、リスニングをしながら、同時にリーディングの上達も期待できるようになります。
また、フォニックスのルールに慣れると、単語の音とスペルがセットで思い浮かぶようになるため、英単語を覚えるときに定着しやすくなるのもうれしい効果です。
フォニックスのルール例
フォニックスには細かいルールがたくさんありますが、以下に主なルールを紹介していきます。
母音が2つ連続する場合は最初の文字を名前読みする
母音が2つ連続で並んでいる単語では、2つ目の母音が消失して、最初の文字が名前読みになるというルールがあります。
たとえば、「boat(ボート)」には「oa」と母音が2つ連続で使われていますね。
この場合、2つ目のaの音がなくなり、最初のoは音の読み方「オ」ではなく、名前の読み方「オー」で発音するのです。
他には「rain(雨)」、「tea(お茶)」、「coat(コート)」などでもこのルールが適用されます。
子音が2つ連続する場合は新しい音になる
子音が2つ続くことで音が変わるものもあります。
たとえばshはフォニックスの音の読み方では「ス+ハ」ですが、2つ連続することで「シュ」という音に変化します。
「shoes(靴)」「push(押す)」「fish(魚)」などがこのルールに当てはまりますね。
また、ghについても「グ+ハ」ではなく「フ」という音に変化。
「graph(グラフ)」、「phone(電話)」、「enough(十分な)」といった言葉に適用されています。
子音が2つ連続する時の音声変化には、一定の法則があるわけではないので、繰り返し練習して覚えてしまいましょう。
単語の最後にある「e」が母音+子音+eの場合は発音しない
単語の最後がeで終わり、母音+子音+eという並びの場合、最後のeの音は消失し、その前に出ている母音は名前読みになるというルールもあります。
たとえば「hope(希望)」の場合を考えてみましょう。
フォニックスでは最後のeの音が消えて、oは音の読み方「オ」ではなく、名前読み「オー」に変化します。
他にも「game(ゲーム)」、「name(名前)」、「fine(良い)」、「hate(嫌う)」などの単語もこのルールに当てはまります。
フォニックスを学ぶ方法
これからフォニックスを勉強したいという人のために、教材や動画などでフォニックスを学ぶ方法を紹介していきます。
市販の教材を買ってきて独学で覚える
じっくりと腰を据えてフォニックスを学びたいという人は、CDなどの音声素材付きテキストなどで学ぶといいでしょう。
おすすめの教材は松香洋子氏の著書である「フォニックス ってなんですか?(CD付き)」。
フォニックスについての基礎知識、フォニックスのルールについて、フォニックスの実践の3つのテーマから構成されています。
本書で取り上げられているフォニックスのルールはなんと84項目。
覚えることは多いですが、フォニックスの基礎から実践までをわかりやすく説明していて、これ1冊でフォニックスについてかなりの部分を学ぶことができます。
アプリで学ぶ
アプリでフォニックスを学習するのもありでしょう。
フォニックス学習でおすすめするアプリは、AGO Phonics Sound Pad(iOS ,Android)。
(画像引用:アップルストア)
画面に表示されるアルファベットをタッチすると音の読み方を音声で確認でき、それぞれの音を使った英単語も一緒に表示してくれます。
1〜4までレベルが設定されていて、レベル1は無料で使うことができます。
レベル1で扱っているのは、26のアルファベットとbb、dd、ffといった二重子音などの基本的なものです。
フォニックスの例外的なルールを用いたサウンドは、レベル2以降から有料で利用することができます。
とりあえずフォニックスの基本を押さえたいという人であれば、課金しなくても充分役に立つでしょう。
YouTubeで学ぶ
Youtubeでもフォニックスに関する動画はたくさん配信されています。
「あいうえおフォニックス」英語発音というチャンネルでは、英語の発音やフォニックスのルールをわかりやすく紹介。
登場人物の声の主は、ロサンゼルス在住のバイリンガルかつ英語ネイティブなので、動画を見ながらリピートすれば本格的な発音が身につけられます。
ゆるい絵柄とキャラクターのかわいい声がクセになるという人も多いのではないでしょうか。
(画像引用:YouTube)
英会話教室で講師から学ぶ
独学で練習するのもいいですが、英会話教室で直接フォニックスを習うのもおすすめです。
子ども向けの英会話教室では、カリキュラムにフォニックスを取り入れているところが多いですが、大人向けの英会話でフォニックスを取り扱っているコースは多くありません。
E-phonics Academyは、大人のためのフォニックスが学べる英会話教室の一つです。
フォニックスを利用した発音集中レッスンは、6時間の受講で英語の発音、リスニング力が劇的に変わると受講者からも高い評判を受けています。
教室は東京(新宿)のみですが、オンラインレッスンも提供しているので、全国どこからでも受講できます。
興味のある人は、まず公式サイトをのぞいてみましょう。
また、大人向けのコースとしては設けられていなくてもマンツーマンレッスンで教わるのもいいですね。
フォニックスはカタカナ発音になりがちな人に役立つ学習法
フォニックスはアルファベットの音の読み方を学ぶことで、英語の正しい発音の仕方を覚える学習法です。
英語を初めて勉強する子どもから英語の発音に悩んでいる大人の学習者まで、幅広く活用できます。
リスニングでネイティブの英語が聞き取れない人、カタカナ発音を矯正したいという人はぜひトライしてみましょう。