オンライン英会話をみると、フィリピン人講師を採用しているところも多いですが「なんでフィリピン人講師をそんなに推すの?」「なんでフィリピン人=英語?」と疑問に思っている人も多いはず。
本記事では、なぜオンライン英会話ではフィリピン人講師が多いのか、フィリピン人の英語のレベルは世界的にどれくらいなのか、について詳しく紹介します。
フィリピン人はなぜ英語が得意なのか
フィリピン人がなぜ英語が得意なのか、理由は大きくわけて2つ。
- フィリピンでは英語が公用語として使われているから
- 英語教育に力を入れ続けているから
以下、それぞれの項目について詳しく紹介します。
フィリピンでは英語が公用語として使われているから
フィリピンの公用語は、英語とタガログ語です。また、9割のフィリピン人が英語を話すことができます。
フィリピンに英語が広まった理由としては、1900年にフィリピンがアメリカに統治されていたからです。
本来、フィリピンは多言語国家で、外務省が令和元年5月に出したフィリピンの基礎データによると、言語は80種類前後。
マイナーな方言も含めると、100種類以上あるとも言われています。
フィリピン人は家族や友人とは母国語で話し、街中で人と交流する時ときは英語、というように使い分けているようです。
フィリピンは英語教育に力を入れ続けているから
フィリピンはアメリカの植民地から独立した後も、英語教育に力を入れ続けてきました。
早くから英語の重要性に気づいていたようですね。
たとえば、幼稚園教育や学校教育の場で使われる言語も英語。正式的な契約書でも英語が使われています。
また、もっと身近なところでいうと、テレビや新聞なんかも英語ですし、フィリピン人が映画を観るときは、吹き替えも字幕もなしにハリウッド映画などを観ることができます。
やはり生活に英語が浸透していることから、フィリピン人は英語が得意になったのでしょう。
フィリピンにも「英語が苦手」という人はいますが、フィリピン人の場合、普段あまり話さないというだけで、英語を読んだり、書いたりすること、理解することが可能です(理解できないと、生活しづらい)。
フィリピン人の英語は、世界に通じるレベルの英語なのか
2019年にGlobal English社が公表しているBusiness English Index(BEI)と呼ばれるビジネス英語力に関する国際指標の調査結果を参考にすると、フィリピンは100国中20位。
フィリピン人の英語は、発音に訛りが少なく、聞きやすい英語として世界的にも有名です。
上記の画像をみてもわかる通り、フィリピンは英語レベルも「高い」グループに分類されています。
(ちなみに、日本は53位で「低い」という判定)。
なぜオンライン英会話では、フィリピン人講師が多い?
オンライン英会話でフィリピン人講師が多い理由は、以下の通りです。
- 発音になまりが少なく、英語が聞き取りやすいから
- 国民性が日本人と合っていて、講師として適任だから
- フィリピン人講師は雇いやすいから?
以下、それぞれの項目について詳しく紹介します。
発音に訛りが少なく、英語が聞き取りやすいから
完璧ではないにしろ、訓練を受けた人や幼少時代からフィリピン言語の影響を受けずに、英語中心に話してきた人々は、ネイティブ並みに綺麗な発音で英語を話す人もいます。
しかし、ネイティブスピーカー(英語が第一言語の人)ではないので、やはりネイティブからすると「フィリピン訛り」を感じたり、言い回しに違和感を感じることもあるようです。
そのため「完璧にネイティブな発音になりたい」という人は、ネイティブスピーカーのレッスンを受けた方が良いかもしれません。
ただ、ネイティブのような難しい文法やスラングを使わないので日本人でも分かりやすいというのと、フィリピン人の話すスピードが日本人にはちょうどよく英語が聞き取りやすいという特徴があります。
国民性が日本人と合っていて、講師として適任だから
訛りと同様に個人差はあるもののフィリピン人の国民性は、以下のように言われています。
フィリピン人の国民性
- 社交的
- 明るい(陽気)
- 親切
- ポジティブ
他にも「自分大好き」「家族を大事にする」「時間にルーズ」「貯金しない」など。
またフィリピンでは、相手への敬意を重んじる文化があるので、その感覚は日本と似ていると言えるでしょう。
オンライン英会話で、実際にフィリピン人講師のレッスンを受けたことがある人は分かると思いますが、明るくて親切な講師が多いので、レッスンも楽しいものが多いです。
フィリピン人はお祭りやカラオケが大好きという話も有名ですが、人によってはオンラインレッスン中に30秒くらい、歌声を聴かされたという人もいましたよ(楽しそう)。
フィリピン人講師は雇いやすいから?
英語スキルも申し分なく、尚且つ、お給料を安く済ませることができる講師を雇えるとしたら、企業にとっては有難いことです。
国家統計局国際労働機関(ILO)の調査によると、フィリピン人の平均年収は日本円で約48万円。日本と比べると物価は1/2、1/3くらいです。
実情は分かりませんが、日本の会社がフィリピン人を雇うとなった場合、給料面での負担も安く済みそうな気がしますよね。
そう考えると、ネイティブ講師を雇うよりもフィリピン人講師の方が雇いやすいのかもしれません。
またフィリピンでは、国内で就職難が続いているため、フィリピン人が他国に仕事を求め、中東や他アジア各国に出ていってしまうという現状があります。
そういった国の背景も含めると、自宅や専用施設に行けば気軽に働くことができるオンライン英会話は、雇用する側と雇用される側、双方にメリットがあるのでしょう(特に、まだ学生で国から出られるほどの経済力がない人など)。
オンライン英会話でフィリピン講師を選ぶときの注意点
オンライン英会話で、フィリピン人講師を選ぶときの注意点を確認しておきましょう。
- ネイティブスピーカーではないため、少なからず「訛り」がある
- ネイティブのような自然な会話表現や流行りを教えてもらうことはできない
- 他の国の英語を聞いたときに「早い」と感じたり、「聞き取りづらい」と感じることも
フィリピンの訛りついては上述した通り。
「フィリピン人は英語が得意」といっても、フィリピンで身に付いた英語なので、ネイティブのような自然な会話表現やスラングなどの流行りを教えてもらうことも難しいです。
他にも、フィリピン人講師の話すスピードに慣れてしまうと、ネイティブ講師の話を聞いたときに「早すぎる」と感じてしまうことがあります。
やはり、英語習得の目的が「ネイティブにも通用する英語を話せるようになりたい」という場合は、ネイティブ講師のレッスンを受講した方が上達は早いでしょう。
また、それ以外の目的で英語を学んでいる人も、ある程度英語に慣れてきたら、ネイティブ講師のレッスンも受けられるような環境が整ったオンライン英会話サービスを選んだ方が便利かもしれませんね。
【結論】日本人がフィリピン人から英語を学ぶのは合理的
フィリピン人の英語は、たとえ訛りがあったとしても世界で通じる英語ですし、英語の水準としても、日本人がフィリピン人から英語を学ぶのは合理的と言えます。
生徒として教えてもらう側としては、受講費も安く、そして世界でも通じるほどのレベルの英語を習得しているフィリピン人講師からレッスンが受けらえるのは、メリットの方が大きいでしょう。
特に、ネイティブの発音にこだわりがない人は、フィリピン人講師を採用しているオンライン英会話を利用すると良いのではないでしょうか。