小学校受験と聞くとどのようなイメージがあるでしょうか。
中学や高校受験の場合は、国語や数学のペーパー試験を受けて成績順に合格者が決まっていくパターンがほとんどですよね。
しかし小学校受験は中学・高校受験とは大きな違いがあります。
今回は小学校受験の特徴や受験スケジュール、おすすめの模試などをまとめてみました。
小学校受験ってどんな内容?何を見られるの?
小学校受験をするにあたって気になるのは試験内容ですよね。
小学校の受験には国語や算数などの決まった科目はなく、試験でどんなことをするのかは学校によって変わってきます。
多くの小学校では下記の5項目を組み合わせて試験内容がつくられているので、ひとつずつ見ていきましょう。
- ペーパーテスト
- 面接
- 行動観察
- 運動
- 手指の巧緻性
ペーパーテスト
ペーパーテストはその名の通り筆記試験のことで、学校によっては先生が問題を読み上げたり音声を流したりして行われます。
生活マナーや数量、図形、言語を問う問題が出題されることが多いようです。
問題を通して子どもの知識や思考力を見られます。
面接
面接はほとんどの小学校で行われており、子どもだけの場合や両親も一緒の親子面接などがあります。
志望理由などの基本的なことから、カードの絵をお題にお話を作ったり、「友達とけんかしたときはどうしますか?」などとコミュニケーション能力をみる質問などがされたりする場合もあります。
親子面接の場合は保護者への質問もあるので、親も準備をしておきましょう。
行動観察
行動観察も多くの小学校で取り入れられています。
他の受験生とゲームやグループ遊びをする場合もあれば、自由時間や待ち時間の様子をチェックされていることもあるようです。
友達と仲良く遊べるか、集団生活をうまくやっていけるか、協調性やリーダーシップなどをみられています。
運動
運動では、かけっこやくま歩き、ボール投げや跳び箱などを行う学校が多いようです。
単純な運動能力を評価するというよりは、子どもの内面を見るために行われています。
ルールを守れるか、指示に従えるか、失敗したときにどのような対応をするのかなどがチェックされています。
手指の巧緻性
紙をちぎったり紐を通したりして、手先の器用さを見るために、一人で工作をする場合もあれば、グループ活動の場合もあります。
服を畳んだりする課題が出されることもあり、しつけの面を見られることもあるようです。
小学校受験に向けた準備はいつから始めたほうがいい?
このように小学校の試験内容は独特なものが多く、事前に対策をしておく必要がありそうですね。
では、小学校受験をしようと思った場合はいつから、どのように動けばいいのでしょうか。
小学校受験シーズンは年長の秋!
小学校の入学試験のほとんどは、年長の秋に行われます。
ここで小学校受験の一般的なスケジュールを見てみましょう。
4~7月|学校見学や学校説明会
人気の高い学校では、説明会の予約申し込み開始と同時に席が埋まってしまう場合も多いようです。
説明会の日程だけではなく、申し込み開始日や申し込み方法を早めにチェックしておくようにしましょう。
8月~|願書受付開始
願書の記入はもちろん、添付書類をそろえる必要があります。
小学校によって、保育園や幼稚園が記入した書類が必要であったり、医療機関で発行した健康診断書、家族写真の提出が求められたりします。
慌てなくていいように、早めに願書を取り寄せて必要な書類を確認しましょう。
願書の提出は窓口や郵送での受付のほか、インターネットでの出願を受け付けている学校もあります。
9月~12月|試験シーズン
関東の早い地域では9月から試験が始まります。
11月には東京都の多くの私立小学校で試験、12月には国立小学校の試験が行われます。
私立と国立を併願予定の方は長期戦になるので、入試対策だけではなく健康面にも注意しておきたいところですね。
早い人では年少から!遅くても年中の秋には始めたい
小学校受験の対策は、遅くとも試験の1年前、つまり年中の秋には始めておいたほうがいいでしょう。
試験までには話を聞く力や思考力、協調性、挨拶やマナーなど身に付けることがたくさんあります。
特に、日常的な礼儀作法などは意識して身につくまで時間がかかるものです。
受験準備を早く始めることは、計画的に準備ができるというメリットがあります。
「小学校受験をしよう」と思っている方は、子どもにとって無理なく受験準備ができるように遅くとも年中の秋までに受験対策を始めることをおすすめします。
私立では小学校行事に足を運ぶことが、熱意を示すことに繋がる?
希望する小学校がある程度決まっている場合は、学校が開催している行事に極力参加していきましょう。
小学校によっては学校見学会や説明会以外に、運動会など受験希望者が参加できる行事が用意されていて、その参加頻度によって、「志望度合い」を見られている可能性もあります。
「試験結果と学校行事への参加度合いは一切関係ない」と事前に伝えられている場合もあるかもしれませんが、できるだけ参加しておくのが無難です。
それに、足を運ぶことで熱意が伝わるというメリット以外にも、学校の雰囲気や風土がよくわかるという利点もあります。
小学校受験対策をするなら塾や模試を利用する
いざ「小学校受験をしよう」と決めても家庭で何に取り組めばいいのかわからない、という場合は多いのではないでしょうか。
そんなときは、塾や模試をどんどん活用していきましょう。
塾に通ったり模試を受けたりすることで、家庭だけでは難しい受験対策をスムーズに行うことができます。
小学校受験の模試を受けるなら塾の会員になるのが一番いい
中学・高校受験でもそうですが、小学校受験においても、本番前に模試を受けるという経験は子どもの精神面を成長させてくれます。
偏差値を知ることができるという一面もありますが、それよりも何ができていないかを確認する、場慣れするために受けるという意味合いが大きいです。
模試の多くは塾や幼児教室が開催しているため、塾や幼児教室の会員になっておくのがおすすめ。
一般を対象とした模試もありますが、多くの模試は塾会員の申し込みが優先されています。
そもそも定員が少ない模試や、会員でなければ申し込めない模試もあるので、気になる模試があれば早めに申し込み条件を確認しておきましょう。
願書や面接に向けた対策をがっつりやってくれる
小学校受験対策を行っている塾に通えば、ペーパーテスト以外の対策も行ってくれます。
例えば、願書ひとつをとっても、単なる申込書ではなく家庭の教育方針や子どもの長所をアピールできる重要なポイントです。
塾に通うことで願書にどんなことを書けばいいのか、文章表現まで的確にアドバイスをしてくれるので安心して受験に挑むことができます。
また、志望校ごとに質問内容や傾向を分析したうえで模擬面接を行ってくれる塾もあります。
家庭では難しい対策を一緒にやってくれる塾の存在は心強いですよね。
問題の傾向や面接内容は塾のもっている情報量が半端ない
受験クラスを持つ多くの塾では、志望校ごとの傾向や試験内容を把握して独自のカリキュラムを組んでいます。
例えばこぐま会では、学校別対策クラスが用意されています。
学校によって運動や絵画の授業が用意されているなど、独自の試験に合わせて授業が組まれているため、対策モレがない、というメリットがあります。
塾では過去の受験者から集めたデータなど個人では得にくい情報もたくさん持っているので、効率よく受験対策ができるでしょう。
小学校受験塾は年中の秋に募集が開始される!4月では遅い
受験対策を行っている塾の「新年長クラス」は年中の秋に始まる場合が一般的です。
年長の4月から塾に通おうと思っていると、希望のクラスが定員で入れない、入れてもカリキュラムが進んでしまっているなど出遅れてしまうこともあるので気を付けましょう。
塾を検討している場合は、年中の夏には候補の塾を探して見学や体験などをしておくと安心ですね。
塾以外の幼児教室やオープン模試も利用してみる
小学校受験対策には塾に通うのはもちろん、オープン模試などの一般模試を利用するのもおすすめです。
いつも通っている塾以外の環境で模試を受けることで、試験に慣れるいい練習になります。
模試の中には私立小学校を会場に開催される場合もあるため、受験環境を知るためにもぜひ受けておきたいですね。
小学校受験対策におすすめの模試は?
ここからは小学校受験で人気の高い模試をランキングにしてみました。
年長児を対象とした模試をまとめてみたので、模試選びの参考にしてみてください。
1位|こぐま会模試
小学校受験対策に強い塾と言えば、こぐま会が有名ですよね。
こぐま会模試では、模試の種類が豊富で基礎学力を点検するテスト、実力点検のための総合テスト、入試傾向をふまえた学校別テストなどから、必要な模試を選んで受験できます。
今回はこぐま会で最大規模の合格判定テストを取り上げてみました。
こぐま会模試 | |
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対象 | 一般・塾会員・テスト会員 |
模試の内容 | 集団テスト(ペーパーテスト・行動観察) 個別テスト(制作や運動など) |
受験可能な場所 | 恵比寿本校 |
料金 | 14,300円(各回ごと) |
公式 | こぐま会のテスト |
合格判定テストは年に2回実施されていて、申し込みは会員優先となっています。
こぐま塾には年間を通じて模試を受けることで学習状況を把握し、家庭での学習をサポートしてくれるテスト会員という制度があります。
関連記事:小学校受験に強い「こぐま会」の料金や評判・口コミは?
2位|伸芽会
伸芽会は、年間のべ2万人が受ける幼児公開模試を実施しています。
伸芽会もこぐま会と同様に、学校別の模試や入試直前模試など複数の模試がある受験塾です。
ここでは学校別チャレンジテストの内容を見ていきます。
伸芽会 | |
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対象 | 一般・会員 |
模試の内容 | 小学校ごとの出題傾向を分析したテスト 例)慶應横浜初等部では運動がテストに加わる |
受験可能な エリア | 東京・神奈川・埼玉・千葉 |
料金 | 会員14,850円、一般19,800円 ※希望する小学校によって金額は異なる |
公式 | 伸芽会 公式 |
学校別チャレンジテストは年に数回行われていて、模試と同日に試験内容を復習するフォローアップクラスも開講しています。
3位|全統オープン
全統オープンは、理英会や幼児教室めぇでるなど、大手の塾と共催している全国規模の模試です。
全統オープン | |
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申し込み条件 | 会員であること(Web上で無料登録が可能) |
模試の内容 | ペーパー・絵画制作・運動 ・行動・個別など総合的な内容のテスト |
受験可能な エリア | 東京・神奈川・埼玉・千葉・大阪 |
料金 | 年長児:11,000円 年中児:5,500円 |
公式 | 全統オープン |
全統オープンは年5回ほど行われています。
全統オープンの特徴といえば、何より実際の私立小学校が受験会場である点です。
志望校が会場となることもあるので、模試の開催エリアに志望校がある方はチェックしておきましょう。
まとめ|小学校受験を考えているなら準備はできるだけ早く念入りに
小学校受験は中学や高校受験とは異なり、ペーパーテスト以外にも子どもの個性や思考力をみる内容となっています。
偏差値ではなく、子どもが学校に合っているのかを見られているといってもいいでしょう。
また受験準備には志望校を見学したり塾を選んだりと、保護者がすることもたくさんあります。
早めに準備や試験対策をして、親も子どもも無理なく受験を迎えたいものです。
志望校の合格に向けて、塾や模試などもうまく活用してみると良いでしょう。