マインクラフトは日本をはじめとする、世界中の子どもたちの間で大人気となっているゲームのひとつです。
累計販売数が2億本を突破する人気ぶりとなっています。
そんなマインクラフトを、「ただのゲームでしょ。」と思っている方もいるかもしれませんが、実は、教育にプラスの側面もあるようです。
そこで今回は、マインクラフトの魅力や、プレイするうえで注意したいこと、マイクラを教材にしたプログラミングスクールについて紹介します。
いま、子どもたちの間でマインクラフト(マイクラ)が大人気!
(引用:マインクラフト公式)
マインクラフトはスウェーデンのマルクス・ペルソンらを中心に開発したサンドボックス型ゲームです。
サンドボックスとは砂場のことで、砂場で山やお城を作るように自由に遊べるという意味が込められています。
マインクラフトではゲーム上の目標やゴールがなく、ゲームの主人公は、冒険したり、家を建てたりして、自由にプレイすることができるのが一番の特徴です。
ブロックを組み合わせて好きな物をつくったり、動かしたりできるゲーム
マインクラフトの世界は、基本となるブロックにより全てのものができています。
そして、ゲームの中ではこのブロックを組み合わせて道具や建物などを作っていくのです。
基本となるブロックは小さな立方体ですが、これらをいくつも組み合わせることで作り出せるものは無限大に広がります。
ただ積み木のように積み重ねて、建物を作ることもできますし、ブロックに機能を持たせて、自動的な仕掛けを作ることも可能です。
そして作ったもの自由に動かし、自分だけの村や街を作り上げていきます。
(引用:マインクラフト公式)
スマホやiPad、スイッチやDSなど様々な機器でプレイできる
マインクラフトは、操作する端末に応じてバージョンが分かれていて、大きく分けて3つに分類することができます。
- Java Edition版
- 統合版
- その他のバージョン
JavaEdition版
JavaEdition版は、PC版と呼ばれてきたマインクラフトの元祖で、対応機種はWindows、Mac、Linuxです。
詳しくは後述しています。
統合版
統合版は、マインクラフトをスマホやそれ以外の端末でも遊べるようにしたものです。
統合版の特徴は、異なる機種でも一緒にマルチプレイができるところでしょう。
基本的なゲーム内容はJava版と同じですが、厳密にはゲームを行う上での操作の仕組み(UI)やゲームに出てくるアイテムなどの違いがあります。
対応機種はWindows10、Xbox One、Switch、iOS(iPhone、iPad)、Android、Amazon Fire、Gear VR、Fire TVなどです。
その他
ここに分類されるのは、Xbox 360ならXbox 360だけ、PlayStation 4ならPlayStation 4だけ、というようにその機種独自にバージョンアップされているマインクラフトです。
(ただしPlayStation 3とPlayStation Vitaの間にのみ互換性があります。)
対応機種はXbox 360、PlayStation 4、PlayStation 3、PlayStation Vita、WiiU、New 3DSです。
PlayStation 4とNew 3DS以外の機種ではアップデートが終了してしまっているので、新しく始める場合は注意してください。
本格的にやりこめるPC版(JavaEdition版)は3,300円で購入可能
PCにのみ対応しているJava Edition版はマインクラフトの全ての機能を使うことができ、本格的にやりたい方に向いています。
Java Edition版は、MODを導入できるのが最大の特徴です。
MODとは公式のものではなく、ユーザーが作った「ゲームを改造するデータ」のこと。
(スマホやタブレットに対応している統合版などではMODを導入することはできません。)
MODを入れると、キャラクターの見た目を変えたり、効果音を変えたり、アイテムの効果を変えたり…など数え切れいなほどの機能をプラスできます。
マインクラフトが子どもの教育にいいって本当?
子どもたちの熱中ぶりについていけず、訝しげに感じている方もいそうですが、一方でマインクラフトには教育的効果があるとも言われています。
マインクラフトのどのような面が、子どもたちの教育に良いと考えられているかをまとめました。
- 冒険や探索をしながら分からないことが分かるようになる
- 空間認知能力が培われる
- 作りたいものを形にするための想像力とデザイン力を育める
- プログラミング教育で注目されている「論理的思考力」を養える
一つずつ確認していきましょう。
冒険や探索をしながら分からないことが分かるようになる
(引用:マインクラフト公式)
マインクラフトのゲームをいざ始めたところで、進め方の説明は大してありません。
それでも冒険を進めていくためには、「敵に対してどうやったら的から身を守れるだろう?」など、直面した問題に対して解決方法を自分で考え、探すことになります。
ゲームの登場人物に聞くなどして情報を集めないとゲームが進まないため、子どもたちは必死です。
検索する力や、必要な情報を集める力がつきますし、分からなくても諦めずに何とかしようとする負けず嫌いな心を育てることに繋がりますね。
空間認知能力が培われる
空間認知能力とは、見ている物体の大きさや形・向き、物体同士の位置関係などを正確にとらえる力です。これには物体の見えていない部分をとらえる力も含まれます。
マインクラフトのゲームの中で広がるのは三次元の世界で、ゲーム中では一方向だけでなく、上や下、斜めからなど方向を変えて見ることができます。
空を飛んだり、水中を泳いだりしながら現実の世界では体験することができない動きを体験することができるのです。
これにより物体を立体的にとらえる力がつき、空間認知能力も養われていくと言えます。
作りたいものを形にするための想像力とデザイン力を育める
(引用:マインクラフト公式)
マインクラフトではクリエイティブモードといって、自分の想像した世界を作り出すことを目的とする遊び方があります。
つまり、実際に見たり、考えたりしたものをゲームの中のブロックを使って作っていくような感じです。
小屋やお城を建てることだけでなく、有名なテーマパークを再現することだってできます。
子どもの想像力やデザイン力を高めるのに「形として表現する」ということは非常に重要なポイントです。
マインクラフトにはそのポイントである「イメージして形として表す」という一連の流れがゲームに組み込まれています。
プログラミング教育で注目されている「論理的思考力」を養える
マインクラフトをプレイすると、「論理的思考力」を養うことができます。
「論理的思考力」とは必要な情報を整理し、物事を順序立てて考えられる力のことです。
文部科学省が発行した「小学校プログラミング教育の手引(第二版)」では、論理的思考力について次のように説明されています。
プログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動を計画的に実施する
つまり、論理的思考がプログラミング教育の基盤であり、教育でも重要な柱ということです。
マインクラフトの場合、「家を作りたい」となったとき、子どもは「どんな家にしたいか」「その家を作るには何が必要か」「必要なものを得るにはどうしたら良いか」などを考えながらゲームを進めていきます。
これは「論理的思考」そのものです。目標を達成するための必要な情報を整理し、それらを順序立てて考えています。
マイクラのやりすぎが心配…子どもの成長に影響は?
教育にプラスの面もあるマインクラフトですが、ハマるあまりつい長時間やってしまう子も多く、結果として姿勢や運動不足といった健康面に影響することがあります。
マイクラだからこその弊害はほとんどありませんが、教育的効果があるとしても、ある程度休憩時間を取る、外遊びをするといった対応を取るようにしましょう。
マイクラで敵や動物を「やっつける」ことは現実とは違う
マイクラをすることによる弊害は、ゲームの世界と現実の感覚を混同させてしまう可能性があることです。
マイクラでは、牛などの動物やゾンビなどの敵がいた場合、剣や斧でやっつけることができます。
このような行為は、他のゲームの中でもごく自然と出てきますが、現実では違いますよね。
また、マイクラでは食料を得るために牛をやっつけなければいけませんが、現実はスーパーに並んでいる肉の塊を見るくらいで、なかなか実際の牛に出会うこともありません。
ゲームの牛と、牧場にいる牛、加工される過程はなかなか繋がりにくいので、一緒に図鑑で調べたり、牧場で牛と触れ合ったりして、本物を知ることも大切です。
画面を見続けるとドライアイになる可能性がある
通常人間は1分間に20〜30回くらいまばたきをしています。
しかし集中して画面を見続けることで、まばたきの回数が通常の3分の1くらい(つまり1分間に10回前後)まで減ってしまうこともあるそうです。
まばたきの回数が減ると目の表面に涙が十分行き渡らなくなり、目が乾燥したり傷つきやすくなります。
この状態がドライアイと言われ、ドライアイになってしまうと目が疲れやすくなったり、視力低下につながったりすることになりかねません。
同じ姿勢を取り続けることで首猫背や運動不足になる
長時間ゲームをすることで外遊びの機会が減ってしまい、運動不足になりがちです。
さらに、ゲームの画面に顔を近づけたままの姿勢が長くなると、首猫背(首と頭が前方向に突き出した状態)になってしまいます。
こうなると頭痛や肩こりなど身体への影響も現れることがあり、見た目も悪くなってしまいます。
ゲームをするときは身体に負担がかからないよう、適度に休息を取るなど、家族が気にしてあげることも大切です。
ゲームをする時間や寝る時間を約束させ、きまりを破らせない
ゲームは非日常感があり、プレイすると達成感が得られますよね。
ゲームをすることで脳が興奮状態となり、ドーパミンという快楽物質がたくさん分泌されます。
このドーパミンは幸せな気持ちを感じさせる作用があるため、ドーパミンの分泌が減ると落ち着かず、またゲームをしてドーパミンを分泌させようとするため、ゲーム依存が起こります。
寝る間を惜しんでゲームをしたい衝動に駆られると、だんだん睡眠時間が削られ、成長ホルモンの分泌低下に繋がりかねません。
特に子どもの場合、楽しいことは時間の区切りがないといつまでも続けたくなってしまうもの。
ゲームを通して「調べる」「考える」といった力を付けることもできますが、やりすぎは禁物です。
「ゲームは1日○時間まで」や「○時には寝る」など約束を決めるようにしましょう。
親子でよく話し合い、子どもに主体的に決めてもらうことが約束を守ってもらうコツです。
マイクラを教材にしたプログラミングスクールもある
小学校教育では、2020年度にプログラミングが必修化されました。
それに伴い、最近では習い事としてプログラミングスクールに通う子どもも増えてきています。
プログラミングスクールは、教室によって身に付けられるスキルが結構違うので、習い始めてすぐに思ったのと違っていた、と子どもがやる気をなくしてしまうケースもあるので要注意。
そこで、子どもが大好きなマイクラを教材にしているプログラミングスクールを2つ紹介します。
【D-SCHOOL】マイクラッチJrコースとマイクラッチコース
(引用:D-SCHOOL)
D-SCHOOL(ディースクール)は、楽しみながらプログラミングと英語を学べる小中学生向けのスクールです。
プログラミングを通して自分オリジナルのロボットやゲームなどの「デジタルなものづくり」を学ぶことができます。
公式:D-SCHOOL
【プロクラ】メイクコードコース
(引用:D-SCHOOL)
プロクラは、小学生向けのコースがあるプログラミング教室です。
「プログラミングを通して自分でやりたいことを見つけ、道を切り拓いていけるような力を養う」ことを目標にしています。
学校のプログラミング教育ではちょっと物足りないという人におすすめです。
(引用:D-SCHOOL)
プロクラでは、「メイクコード」というパズル感覚のようなブロックを組み合わせる操作で、プログラミングの基礎を学べる「ビジュアルプログラミング環境」が用意されています。
感覚的に操作ができるので、プログラミングの基礎を身に付けやすいです。
また、マインクラフトに、このメイクコードを接続し、マインクラフトの世界でロボットやオブジェを操作しながらプログラミングを学ぶことができます。
公式:プロクラ
まとめ:マイクラで論理的思考やプログラミング的思考を身に付けよう
マインクラフトの概要やメリット・デメリット、マイクラを教材にしているプログラミングスクールについて見てきました。
マインクラフトをツールとして使うことで、子どもたちには知らず知らずのうちに論理的思考が身に付き、プログラミング的思考に繋げることができます。
今後日本ではIT人材が不足することが予想されているだけに、将来的にその分野での活躍を期待できますし、プログラミングの知識やスキルは、筋道を立てて物事を考えられるなど、良い面が多いです。