英語スキルを証明する資格と言われて、最初に思い浮かぶのは英検ではないでしょうか。
今回は、将来英検を受ける子にもおすすめの「英検ジュニア(Jr.)」について紹介します。
英検ジュニアは英検と違い、英語の文章がまだ読めない子でも受験可能(BRONZEに限る)。
また、試験結果が合否ではなく正答率で出るため、合否にこだわらずに実力を測ることができます。
英語試験に慣らすための入門として最適な英検ジュニアの内容や受験方法、英検との違いについても、詳しく見ていきましょう。
英検ジュニアってどんな内容なの?
英検ジュニアは、英検と同じ公益財団法人日本英語検定協会が主催で行っている、児童の英語能力・研究を目的につくられた試験です。
レベルはBRONZE(ブロンズ)・SILVER(シルバー)・GOLD(ゴールド)の3つのグレードがあり、各レベルに適したバラエティに富んだ出題になっています。
全国規模で実施されている試験であるため、家庭で英語学習をしている場合でも、レベルを客観的に知る指標とすることも可能です。
英検ジュニアの内容をさらに詳しく確認していきましょう。
参考:英検ジュニア公式
【特徴】成績は正答率で表示!合格・不合格が無いから受けやすい
英検には合格や不合格で結果が出されますが、英検ジュニアにはそれがありません。
子どもは、合格・不合格に対して、大人の想像以上に気にするところがあります。
合格すればモチベーションが上がりますが、不合格になってしまった場合、やる気を失ってしまったり、英語に苦手意識を持ってしまう原因になりかねません。
さらに、合否があるというプレッシャーから、試験そのものが憂鬱になる子もいるでしょう。
その点、英検ジュニアは正答率で成績を示してくれるので、合否を気にすることなく受験することができます。
なお、結果は「REPORT CARD(個人成績表)」で確認できます。
(引用:英検ジュニア)
かわいいキャラクターの犬が、大きな山を登るイラスト入り。
BRONZE・SILVER・GOLDと実力が上がると、頂上に到達します。子どもでも視覚的に自分の現状レベルと目標が理解しやすくていいですね。
【レベル】ブロンズ・シルバー・ゴールドの3つのグレードで構成
BRONZE・SILVER・GOLDのグレードごとに、試験時間や問題数と、どのような子どもが受験対象になるのか目安をまとめました。
BRONZE | SILVER | GOLD | |
出題数 | 約40問 | 約45問 | 約50問 |
検定時間 | 約30分 | 約35分 | 約45分 |
目安 | 初めて受験 | BRONZE 80%以上正解 | SILVER 80%以上正解 |
塾などの 学習 | 半年 ~1年程度 | 1年~2年 | 2年~3年 |
文字 | 学習経験 なしOK | 1年~2年 | 2年~3年 |
BRONZEは文字を読めなくても受けられるので、まず手始めに挑戦してみましょう。
ちなみに、公式サイトにあるサンプル問題を利用すれば、事前に子どものレベルを確認することができます。
(引用:英検ジュニア)
参考:英検ジュニアサンプル問題
【費用】ブロンズ:2,300円、シルバー:2,500円、ゴールド:2,700円
試験方法は団体で受験するペーパーテストと、自宅でパソコンから受験できるオンラインテストの2種類。
ペーパーとオンラインのレベルや形式、試験時間は同じですが、問題の内容は変えられています。
受験費用に関しては、オンラインのほうが200円ずつ安く、BRONZEで2,300円、SILVERで2,500円、GOLDで2,700円です。
BRONZE | SILVER | GOLD | |
検定料 ペーパー(P) オンライン(O) | P:2,500円 O:2,300円 | P:2,700円 O:2,500円 | P:2,900円 O:2,700円 |
実施時期 | P:年3クール O:いつでも | ||
受検場所 | P:グループ会場(団体申込) O:自宅 |
(税込表示)
なお、英検ジュニアに向けたe-ラーニングで学習をする場合は、これとは別に費用が掛かります。(後述あり)
英検ジュニアと英検の違いは何?
英検ジュニアと英検の違いが分かるように、いくつかの項目で比較してみました。
英検ジュニア | 英検 | |
合否 | なし | あり |
レベル | BRONZE・SILVER ・GOLD | 5級・4級・3級 ・準2級・2級・準1級 ・1級の7レベル |
年齢の 目安 | 小学校低学年 ~高学年程度 | 中学初級程度 ~大学上級 |
問題 | オールリスニング 音声を聞いて、 正解だと思う ものに〇を付ける | リスニング50% 筆記試験50% 文法力・読解力・作文力 |
合格 基準 | ー | 基準スコア以上 |
時期 | (P)3回/年 (O)いつでも | 3回/年 |
場所 | (P)指定会場 (O)自宅 | 公開会場・準会場 |
検定料 | (P)2,500円~2,900円 (O)2,300円~2,700円 | (公)3,000円~10,300円 (準)2,000円~5,500円 |
ちなみに、これらとは別に「国連英検ジュニアテスト」という試験もありますが、外務省が支援しているテストです。
(引用:外務省後援「国連英検ジュニアテスト」)
こちらは、国際企業人・国際公務員・外交官などの「グローバルプレイヤー」を目指す人が受験することの多い国連英検(国際連合公用語英語検定試験)の子ども版のようなもの。
英検ジュニア同様に合否判定がなく、受験者の出欠状況や得点・認定級・校内偏差値・全国偏差値に加え、教室の平均点・正答率と全国の平均点・正答率の比較データが提供されます。
英検ジュニアのメリット
英検ジュニアを受験するメリットをまとめました。
- 合否が無い
- 個人は自宅で受けることができる
- 公式のオンライン教材とテストのパックがお得
- 英検ジュニアの経験が英検の取得に繋がる
合否が無い
英検や漢検など、スコアに対して合格の基準を設けている検定は、合格すれば自信が付きますが、不合格になってしまった場合、子どもは自信を失い、落ち込んでしまうかもしれません。
英検ジュニアのように合否がない検定を選べば、正答率を上げるという目標に向けて勉強に取り組めるはずです。
個人は自宅で受けることができる
英会話教室や幼児教室から案内を受けて団体受験に申し込めますが、いざ試験となると緊張してしまう子も多いです。
しかし、英検ジュニアなら自宅からオンライン受験をすることができます。
親が見守ってくれているという安心感のなかで、リラックスして受けることができれば、普段の実力を発揮できるでしょう。
公式のオンライン教材とテストのパックがお得
英検ジュニアテスト対策として、参考書やCD付きのテキストなどが多数販売されています。
近くの本屋やAmazonなどから手に入れることができますが、試験をオンラインで受ける場合は、操作そのものや雰囲気に慣れるためにも、公式オンライン教材での勉強が効果的です。
なお、オンライン教材(e-ラーニング)とテストのフルパックは、通常よりもお得になっているので、こちらも検討してみると良いでしょう。
また、有効期限を延長したい場合は、追加料金が必要です。
1ヶ月1,500円、3ヶ月で3,000円、6ヶ月は5,000円となっています。
【フルパック】(教材+試験)
- ドリル&ゲーム
- もぎテスト
- 英検Jr.オンラインテスト
- カードアルバム
期限 | BRONZE | SILVER | GOLD |
---|---|---|---|
1ヶ月 | 3,900円 | 4,100円 | 4,300円 |
3ヶ月 | 5,400円 | 7,300円 | 5,800円 |
6ヶ月 | 7,300円 | 7,500円 | 7,700円 |
(税込表示)
【ラーニング】(教材)
- ドリル&ゲーム
- もぎテスト
- カードアルバム
期限 | BRONZE | SILVER | GOLD |
---|---|---|---|
1ヶ月 | 2,000円 | ||
3ヶ月 | 3,900円 (1,300円) | ||
6ヶ月 | 6,000円 (1,000円) |
※税込表示、( )内は1ヶ月換算
【テスト】(オンラインテスト)
- 英検Jr.オンラインテスト
- ラーニング(一部)
- カードアルバム
期限 | BRONZE | SILVER | GOLD |
---|---|---|---|
3ヶ月 | 2,300円 | ||
2,500円 | |||
2,700円 |
(税込表示)
参考:英検ジュニア公式
英検ジュニアの経験が英検の取得に繋がる
漢検など母語を使った試験に比べると、英検はちょっとハードルが高いように感じられます。
ただ、小さなうちから英語ジュニアに慣れ親しんでおけば、いずれ英検を受ける時にそこまで拒否感なく受けることができるはずです。
英検ジュニアの注意点
次に、知っておいたほうがいい注意点を確認しておきましょう。
- 内申を重視するなら英検ジュニアより英検
- 試験時間内に集中力が切れることもある
内申を重視するなら英検ジュニアより英検
英検は公的資格なので、受験で推薦の判断に使われたり、学校によっては入学金や奨学金、英語単位がもらえたりします。
一方、英検ジュニアでGOLDの80%以上だったとしても、そういった点では特に何かがあるわけではありません。
あくまでも英検ジュニアは、いずれ英検を取得するための前段階として、「英語を楽しんで学習すること」に重きが置かれているテストです。
進学を有利にするなら、英検ジュニアよりも英検取得を目指していきましょう。
試験時間内に集中力が切れることもある
一番短い試験時間であるBRONZEのテストでも、30分を要します。
小学校低学年でも子どもの集中力は15分程度、未就学児なら年齢+1分程度と言われるくらいなので、最後までテストに集中することはなかなか至難の業です。
しかもオンラインの場合、受験は自宅で行います。
気になるものが目に入れば、そちらへ興味がいってしまうのは当然でしょう。
テストを受ける際は、子どもが集中できるように、テーブルや周りをスッキリとさせて、静かな環境で受けさせるようにしたいですね。
オンラインで英検ジュニアを受験する時の準備
では、実際に英検ジュニアを受験するにはどのような準備が必要なのでしょうか。
今回はオンライン受験をする時についてまとめました。
パソコンやタブレットなどの端末を用意し、動作環境を確認する
まずはインターネット環境を整えましょう。
パソコンはWindowsやMac、タブレットでもiPad(iOS)・Android端末に対応しています。
オンライン教材やテストでは音声が流れるため、ヘッドフォンやイヤホンの準備をするか、静かに取り組める環境を用意しておきましょう。
公式サイトにある「動作環境チェックボタン」を押すと、今使っているパソコンやタブレットが動作環境に適しているか確認できます。
専用のオンライン教材やテキストでコツコツ学習を進める
普段から着実に力を積み上げていれば、最初からBRONZEでも高い正答率を得ることができます。
ただ、いきなり受けても操作に手間取ったり、設問形式に慣れないまま試験が終わってしまったりするほうが可能性としては高いです。
そのため、突然英検ジュニアを受けるというよりは、専用のオンライン教材や手持ちのテキストでコツコツと継続して学習を進めてから受けるようにしましょう。
まとめ|英検ジュニアを受けて英語力を知ろう!
英検ジュニアの概要やメリット・デメリットについてまとめてきました。
本記事のポイントを整理すると、次の通りです。
- 英検ジュニアに合否はない!正答率で評価
- BRONZE・SILVER・GOLDの3つのグレード
- 団体はペーパー、個人はオンライン受験で
- オンラインのほうがペーパーより検定料が200円安い
- 客観的に英語の力が分かるから家庭学習の指標に役立つ
- いずれ英検を取得するための前段階として導入したい
英会話教室やオンライン英会話をやっていても、子どもの実力がどの程度なのかいまいち分からないもの。
幼児期の頑張りを否定せず、次なる目標に向けて背中を押してくれるようなテストが英検ジュニアです。
費用もそこまで高額ではないので、オンライン教材を購入してそこから英語の勉強を始めるのもいいですね。