「英語のかけ流し」とは、英語の音楽やストーリーをBGMのようにかけておくことです。
かけ流しは、最初に取り組める英語教育として始める方が増えています。
英語のかけ流しをすることで、同じように英語シャワーを子どもに与え、英語学習の第一歩とすることが可能です。
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子どもに英語をかけ流して効果はある?
「英語のかけ流しは、効果があるか」と聞かれれば、多くの方が「ある」と答えています。
ただ、「かけ流しをすれば絶対に英語が話せるようになる」といった壮大なものではありません。
それでも、かけ流しは英語学習の土台として効果的で、かけ流しをしている子どものほうが、将来的に英語の飲み込みも早くなる可能性が高いです。
乳児期から幼児期に英語を聞くと、聞き取りや発音に強くなる可能性が高い
英語を聞き取り、正しくネイティブのように発音するためには、英語の学習を早く始めたほうがよいというのは周知の事実です。
それは、一つに、赤ちゃんが言語を吸収する天才であること、二つ目に、言語習得には、臨界期があるからです。
赤ちゃんは生後6か月から8ヶ月の間に母語を聞き分ける力がついてくる
まず、赤ちゃんの言語吸収の仕方ですが、赤ちゃんは自分の周りの人々の話を聞き、意味を理解しようとしています。その理解しようとする働きは、何語であっても行われています。
何も知らない赤ちゃんにとって、言葉は暗号のよう。赤ちゃんは、その暗号を聞き続け、暗号を解読しようとします。
ワシントン大学のパトリシア・クール博士が行った実験によると、日本人の乳児は、生後6か月から8か月であれば英語の「r」と「l」の聞き分けができるそうです。
しかし、生後10か月になるとその能力は失われてしまうことも分かりました。
この事実から、パトリシア・クール博士は、乳児期は周囲の人間の会話を全て母語として聞き、音を区別しており、母語にない音は必要のないものとして認識しなくなることを結論づけました。
言葉の臨界期
次に人間が、最速で、最も簡単に言葉を習得できる「言葉の臨界期」と呼ばれる時期について、発音能力に関する見解を確認しておきましょう。
Long, M.(1990)は、子どもの臨界期を次のように述べています。
A native-like accent is impossible unless first exposure is quite early, probably before 6 in many individuals and by about age 12 in the reminder.
(子どもが6歳以前に、どんなに遅くても12歳までに最初に英語に触れなければ、ネイティブの発音を習得することは不可能である)
つまり、ネイティブのように発音するためには、遅くても6歳から12歳までに英語に触れる必要があるということです。
この主張を裏付けている、アメリカで行われたある実験があります。
キューバからアメリカへ移住してきたキューバ人を、到着時の年齢で3つのグループにわけ、どれくらい発音がネイティブに近いか検証した実験です。
1歳~6歳の時に移住した19名は68%が、7歳~12歳の時に移住した37名は41%が、13~19歳の時に移住した15名は、7%がネイティブに近いとの結果が出たと言います。
参考:東洋英和女学院大学「第二言語習得研究からみた発音習得とその可能性についての一考察‐臨界期仮説と外国訛りを中心に」
かけ流しをするだけで英語が話せるようになるわけではない
英語のかけ流しを、子どもが小さいうちから行えば、それなりの効果があり、将来の聴き取りや発音に強くなる可能性も高くなります。
しかし、かけ流しだけで英語が話せるようになるわけではありません。
かけ流しは、コミュニケーションをとっているわけではないからです。
それは、日本語を母語として学ぶ場合でも、同じことが言えます。
公益財団法人海外子女教育振興財団では、海外で生活する乳幼児とその親に向けて、日本語を保持し発達させるための方策について、次のようにまとめています。
- 母語が急速に発達するのは2歳から4歳まで
- 母語で学習できる力を養うには9~10歳くらいまで掛かる
- 日本語の基礎ができるのは4~5歳
- 日本語に触れる機会がないと、日本語は失われていく
(参考:「乳幼児や小学生と共に海外で生活されるご家族へ 母語の大切さをご存じですか?―海外での日本語の保持と発達」)
海外に住んでいる場合、家族や日本人学校以外の場所では日本語が少ない環境にならざるを得ません。
そうなると、日本語の基礎を作るだけでも、使う機会がなければ、正しい日本語を身に付けるのも厳しくなります。
逆に言うと、英語の環境が少ない日本で、英語を学ぶのであれば、英語に接する時間を取らないとなかなか習得は難しいでしょう。
子どもに英語をかけ流しする時の注意点は?
子どもに英語をかけ流しする時、ただ何でもかけて流していればいいという訳ではありません。
気を付けたいポイントは以下の通りです。
- 赤ちゃんに英語をかけ流しする時は、1か月程度は繰り返し流す
- かけ流しをする時は音量が大きすぎないようにする
- 好きな遊びやお風呂に入っている時にBGMのつもりで流す
- 大人向けではなく、子ども向けの教材をかけ流す
- 続けて生活の一部にすることが大切!毎日1時間程度かけるように意識する
一つずつ、確認していきましょう。
赤ちゃんに英語をかけ流しする時は1か月程度は繰り返し流す
赤ちゃんに英語をかけ流しする場合、毎日違うものをかけて色々な音を聞かせてあげたいと思いがちですが、できれば同じものを繰り返し聞かせてあげましょう。
子どもが言葉を習得するためには、繰り返しが効果的だからです。
ただ、より多くの言葉に触れることができるように、1ヵ月を目安に違うものをかけてあげるとよいでしょう。
かけ流しをする時は音量が大きすぎないようにする
英語のかけ流しの音は、小さくて大丈夫です。
子どもの聴覚は敏感ですので、本当に小さな音で拾えてしまいます。逆に大きい音では、不快と感じてしまいかねません。
大人が聞きやすい音量よりも、小さい音にしましょう。
好きな遊びやお風呂に入っている時にBGMのつもりで流す
英語のかけ流しは、BGMとして流してあげると効果的です。
ただ、あくまでBGMとして流すことに留意して、子どもの活動の邪魔にならないようにしましょう。
- お部屋で何かに集中している時にさりげなくかける
- お風呂でリラックスしている時、または、お風呂で楽しく歌うためにかける
- お休みの際の、お出かけで車の中でかける
- 日常の移動中、車の中でかける
大人向けではなく、子ども向けの教材をかけ流す
英語のかけ流しの題材は、子どものレベルにあったものを選びましょう。
難しすぎると、何が何だかわからないまま、雑音になって頭に入ってきません。
また、子どもの学齢を考えることも大切です。子ども向けの内容でなければ、なかなか興味を持ちづらいためです。
例えば、こどもちゃれんじEnglishでは、子どもの日常と関連のある内容となっているため、子どもは、楽しんで理解していくことができます。
続けて生活の一部にすることが大切!毎日1時間程度かけるように意識する
英語のかけ流しは、毎日続けて行い、生活の一部として取り入れるのがおすすめです。
できれば1時間から3時間、できなければせめて15分や20分でも、毎日かけ流すことが大切です。
バイリンガルを目指すなら3時間程度は聞いたほうがいいという話もありますが、毎日続けるのはなかなか苦労します。
英語のかけ流しに使える教材やCDを紹介
では、英語のかけ流しには一体どのような教材やCDがいいのかを最後に紹介します。
かけ流しと言えば!「パルキッズプリスクーラー」
(引用:パルキッズ公式)
パルキッズプリスクーラーは、初めて英語学習を始める子ども向けの教材で、CDのかけ流しとアウトレットに特化しています。
CDのかけ流しで学べる語彙は2年間で2,000語以上あり、かけ流しでかけるにはもってこい。
さらに、新規購入者はオンラインレッスンを無料で受けられるので、アウトプットして身に付けられるのも人気の秘密です。
参考:パルキッズプリスクーラーとアイキャンリードの教材内容や費用まとめ
通信教育|こどもちゃれんじEnglish
(引用:こどもちゃれんじEnglish公式)
こどもちゃれんじEnglishは、ベネッセによる幼児向けの英語コースです。
1歳~2歳のうちから、楽しく英語の音やリズムに触れられるように教材(絵本や玩具、DVD)が工夫されていて、しまじろうと一緒に学ぶことができます。
特にDVDは日常生活の一場面が出てくるので、音だけで聞かせるのもおすすめ。慣れてきてから動画を見れば、物や言葉の意味をより一層結び付けられるはずです。
参考:こどもチャレンジぷちEnglish(1~2歳)の料金や特徴、口コミを紹介!
YouTube|かけ流しにもリトミックにも使える
YouTubeなら、お金を掛けずにかけ流しができます。
音だけでかけ流すことができるのはもちろん、YouTubeには字幕機能もあるので、成長に合わせて使い方を変えられるのが良いですよね。
先ほどのパルキッズが公式アカウントで配信している動画もありますし、子ども向けの英語動画はかなり多いです。
それに、英語の音楽とダンスが一緒になった動画であれば、リトミック的に使うことも可能。
ただ、プレイリストにまとめておかないと、子どもが勝手にチャンネルを変えてしまったり、日本語の広告が挟まって集中力が切れてしまったりする点には注意が必要です。
まとめ:英語のかけ流しは効果大!乳幼児期から取り入れよう
英語のかけ流しの効果や注意点、かけ流しに使える教材について紹介してきました。
できるだけ乳幼児期のうちから英語に触れておいたほうが習得しやすい傾向にはありますが、必ずしも全ての子どもがかけ流しで英語に親しむようになるとは限りません。
親の押し付けで、無理矢理やらされているのであれば、英語が嫌なものになる可能性もあります。
子どもが英語を嫌がってしまわないよう、かけ流しの頻度や音量などは常に意識しておくようにしましょう。