絵本の読み聞かせは、子どもの心を発達させるのに役立ち、いいイメージを持っている人も多いでしょう。
実際、読み聞かせは親子のコミュニケーションになり、安心した環境で楽しい時間を過ごした子どもは絵本が好きな子になる傾向があります。
本が好きな子は自然と読書習慣もでき、想像力や様々な知識、日本語力がつくというメリットもあるのです。
ただ、読み聞かせが大切なのは分かるけど、絵本は買った方がいいのか、借りるだけで十分なのか、迷うこともありますよね。
結論としては、絵本は買うのも借りるのもどちらも大切です。なぜなら、どちらもそれなりにメリットがあるから。
後半では、「読み聞かせはたくさんしてあげたいけど、できるだけお金は節約したい」という方におすすめの方法も紹介しています。
両者をバランスよく取り入れ、お金も節約しながら、読み聞かせを続けていきましょう。
絵本は借りるのも買うのもどっちも大切
子どもに絵本を用意する時、絵本は買いますか。それとも、借りているでしょうか。
絶対に新品を買う人もいれば、中古をフリマアプリで買う人、絶対に図書館で借りる人もいます。
それぞれの家庭に合わせたスタイルであることは大切です。
しかし、「買うだけ」「借りるだけ」のどちらかに偏ってしまうと、欠点が生じてしまいます。
例えば、絵本は絶対に「買うだけ」という場合、それなりの冊数を用意しようとすればお金もそれなりに掛かりますし、収納する場所も必要です。
反対に、「借りるだけ」の場合はどうでしょうか。
借りた本は期限を守って返却しなければならないので、子どもがその気でなくても、早く読むことを求めてしまいます。
図書館では読みたい本が借りられていて、順番を待たなければいけないこともあるでしょう。
結局つまるところ、絵本は「買う」ことも、「借りる」ことも、どちらも大切なのです。
絵本を買うメリット
絵本を買うこと、借りることそれぞれのメリットを知っておけば、子どもの年齢や成長に合わせて無駄なく絵本を生活の中に取り入れていくことができます。
子どもに絵本を100冊以上読み聞かせてきた筆者が考える、絵本を買うメリット、借りるメリットについてまとめました。
まずは、絵本を買うメリットについて見ていきましょう。
- いつでも好きな時に読みたい本が読める
- 本の汚れや傷を気にしなくてもいい
- 兄弟・姉妹で使える
- 長年読み継がれる名作を自分の子にも読んでもらえる
いつでも好きな時に読みたい本が読める
絵本を買う一番のメリットは、いつでも好きな時に読みたい本が読めることです。
お気に入りの本は何度も読みたがりますよね。同じ本を繰り返し読むことで、その絵本の世界観や言葉が自分のものとなり、想像力や言語力も発達していくのです。
いつでも手元にお気に入りの絵本があれば、子どもにとっても絵本を手に取りやすいことに繋がり、読書習慣を作りやすくなります。
子どもの好きなこと、興味のあることを伸ばすという点においても、大切な点です。
本の汚れや傷を気にしなくてもいい
赤ちゃんの頃は、口の中になんでも入れながら「探索」をしていきます。
もちろん絵本も例外なく、ちょっと目を離したすきに舐めていたり、かじったりしてしまうことはよくあるものです。
借りた絵本だと弁償などが頭をよぎってしまい、手の届くところに絵本を置きづらくなってしまいます。
しかし、買った絵本なら多少舐めてしまっても、かじってしまっても、自分のものですからそこまで気になりません。
ある程度子どもの自由に楽しませてあげることができるので、子どもにとっても絵本を身近に感じやすいでしょう。
兄弟・姉妹で使える
一人っ子だと成長するにつれて読まなくなる本もあるかもしれませんが、妹や弟がいれば長く使えます。
兄弟で性格は違っても、絵本の好みは同じということもよくあります。上の子が下の子に読み聞かせてあげるなんてのもいいですよね。
繰り返し使えることで経済的にも助かりますし、兄弟・姉妹揃って絵本を好きになってくれるかもしれませんね。
長年読み継がれる名作を自分の子にも読んでもらえる
絵本の状態がきれいなら、親子二代、三代にわたって楽しむこともできます。
実際、筆者が子どもの頃に読んでいた絵本を、実家に行った際に子どもたちが気に入ってそのまま持って帰ってくるということも多いです。
長年読み継がれている名作は、時代が変わっても子どもの心に響くものがあるのでしょう。
絵本を借りるメリット
では、借りることによるメリットはどうでしょうか。
- 図書館や児童館などを利用すれば無料
- 子どもがすぐに飽きてしまってもお金の面で気にせずに済む
- 借り物に対するマナーを教えることができる
- 収納場所に困らない
図書館や児童館などを利用すれば無料
絵本を借りるメリットは、なによりもお金が掛からないことですよね。
図書館や児童館、地区センターなどでも、利用カードを作れば無料で絵本を借りることができます。
場所によって絵本の品揃え、借りられる絵本の冊数が異なるので、いくつか行ってみるのもいいでしょう。
ちなみに筆者は、妊娠時から絵本を借りるために図書館を利用するようになりました。
子どもの頃は、借りることよりも買ってもらうことのほうが多かったですが、大人になって図書館に行くと、絵本の種類が多いことに驚かされます。
年齢や季節などに合わせて絵本が紹介されていたり、司書の方がおすすめを紹介してくれたりもするので、積極的に行くようになりましたね。
子どもがすぐに飽きてしまってもお金の面で気にせずに済む
絵本を買って後悔をすることが多いのは、あんなに欲しがっていたのに、いざ買ってあげるとほとんど読まなくなるようなケース。
例えば、紀伊国屋書店がすすめる絵本の金額について平均を出してみると、次の通りです。
(参考:いくつのえほん2020)
- 0歳…887円
- 4・5歳…1,409円
低年齢向けの小型絵本でも900円弱、絵本のページ数が増えたり、しかけ絵本など趣向を凝らしたものになってくると、値段も高くなる傾向にあります。
新品を購入すると1冊あたり約1,000円ですから、100冊買えば10万円にもなります。
これだけの金額を掛けても、子どもが飽きてしまったらもったいないですよね。
一方、絵本を借りることにすれば、子どもが興味を示さなくても、経済的なダメージはほとんどありません。
借り物に対するマナーを教えることができる
図書館や児童館などで絵本を借りる場合、借り物に対するマナーを教えることができます。
借りたものはきちんと返す、汚さない、破かないなど、次に使う人への思いやりを身に付けるいい機会です。
収納場所に困らない
絵本が100冊近くあると、本棚もいっぱいになってしまいます。
実際、筆者の家の絵本棚は横幅が100cm程度ある大型のものですが、絵本が80冊以上もあると、もうこれ以上は入りません。
絵本を借りる場合は返却するので、一時的な置き場所があれば収納場所には困らないですね。
お金がない、でも絵本は読ませてあげたい…そんな時は?
時間とお金に余裕があれば、たっぷり絵本を買って子どもにたくさん読み聞かせをしてあげたいものですが、実際そこまでできないことのほうが多いですよね。
「絵本に掛けられるお金は限られているけど、それでも読ませてあげたい」「できるだけお金を掛けずに絵本を楽しみたい」という思いを叶える手段はあります。
買うこと、借りることの概念を少し広げるだけで、案外便利なサービスはあるものです。
子どもが幼い時は中古絵本の購入から
中古の絵本は安く手に入るものがたくさんあります。
古本屋やリサイクルショップ、フリーマーケットなどでも絵本が売られていることは多いです。
また、メルカリなどでもたくさんの絵本が出品されています。
リサイクルショップなど実際の店舗では欲しい絵本が置いてないこともありますが、フリマアプリなどを利用すれば、かなりの出品数の中から検索することができるので、欲しい本に出会える確率がグンと上がります。
ちなみに、有名なエリック・カールの「はらぺこあおむし」(定価1,320円)の絵本が、メルカリでは最低価格300円から多数出品されていました。
絵本に慣れてきたら図書館を最大限に利用
子どもが絵本に慣れてきたら、図書館を最大限に利用するのがおすすめです。
一般的には1人あたりの貸し出し冊数が決まっていますが、利用カードがあればその人数分借りることができます。
実際筆者がよく利用する図書館では、2週間の貸し出しで一人6冊まで。
そのため、利用時は6冊×3人(子ども2人と自分の分)で、計18冊借りています。
上限まででなら、無料で何度でも借りることができるのは大きなポイントですね。
ネットで読める図書館の電子書籍サービスも検討する
図書館を利用する際の注意点は、返却期限が決まっていることです。借りた絵本を期限内に返却するのが大変な場合もありますよね。
そんな時に便利なのが、図書館の電子書籍サービスです。
貸し出しや返却で実際に図書館へ行く必要はなく、ネット上で絵本を借りて読むことができます。
返却期限になれば自動的に返却されるので、余計な手間も掛かりません。
自治体の公共図書館で「電子書籍貸出サービス」を行っているのは、143自治体の139館とのこと。(2021年現在)
限られた図書館のみのサービスではありますが、最寄りの図書館で実施されていれば、ぜひ利用してみましょう。
お気に入りの絵本があれば買う
何度も読みたがる、返却してもまた借りたがるなど、絵本を借りる中でお気に入りのものが見つかれば、ぜひ購入しましょう。
何度も繰り返して読むなら、お金を掛けて購入したとしても、あっという間に元が取れます。
例えば1冊1,000円だったとしても、100回読めば1回あたり10円です。
もちろん、金額に関係なく、大好きな自分の絵本と過ごす時間は、子どもにとってかけがえのないものになるでしょう。
絵本サブスクをうまく使う
絵本のサブスクを利用するのも、一つの方法です。
現在日本で提供されている絵本のサブスクには、大きく分けて2つのパターンがあります。
それは「アプリで読み放題」と「毎月セレクトされた絵本が届く」というもの。
特に「毎月セレクトされた絵本が届く」サービスでは、本屋で新品を買うよりも安く絵本が手に入るということがあります。
また、サービスによっては年齢に合わせて最適な絵本を選んでもらえたり、書店には置いていない絵本を取り扱っていたりするので、気になるものがあれば利用してみると良いでしょう。
関連:毎月4冊絵本が届く「絵本のサブスク」の料金や口コミ・評判!
絵本アプリを利用する
紙の絵本にこだわりがなければ、スマホやタブレットの絵本アプリを使ってみましょう。
プロの声優が読み聞かせをしてくれるものや、アプリオリジナルのものなど種類も豊富。
なかには、月300円から500円程度で読み放題になるアプリもあるほか、一定の期間や冊数までは無料で使える便利なものまであります。
絵本アプリの口コミや評判、詳細についてまとめた記事もあるので、合わせてチェックしてみてください。
【口コミ・評判】PIBO(ピーボ)とは?お試し期間や読み放題会員についても紹介
まとめ|絵本は買うのも借りるのもメリット大!バランスよく取り入れて
子どもにとって、絵本は想像力を膨らませ、知らない世界を教えてくれる存在です。
いつでも絵本を取り出せて読めるようにしておくと、読み聞かせをしていなくても自然と子どもが絵本を手に取って眺めていることもあるでしょう。
また、図書館に通っていくことで、興味のあることや好きなことを伸ばしたり、広げたりすることもできますし、物の貸し借りについてのまマナーを学ぶことができます。
結局絵本は、借りることも買うことも子どもにとってメリットだらけなので、どちらも取り入れることで、必ず子どもの成長に繋がっていくでしょう。