カタカナ英語は日本人が使う、本場の発音とはちょっと違った日本風の英語です。
最近はビジネスシーンでも「リスケ(リスケジュール)する」という風にカタカナ英語がよく使われていますよね。
ただ英語だと思って使っていても、実は日本人しか使わない言葉で、海外では通じないこともあるので要注意。それはカタカナ英語ではなく「和製英語」かもしれません。
またカタカナ英語でも実際の英語の意味や発音が全然違うために伝わらないということも…。
本記事ではカタカナ英語と和製英語との違いや、よく使われるカタカナ英語の一覧などを詳しく紹介します。
カタカナ英語とは?和製英語との違いはある?
カタカナ英語と聞くと、「アップル」や「デスニーランド」など、ネイティブの発音ではなく、いかにも日本人らしい読み方をイメージする人も多いでしょう。
しかし日本人が使うカタカナ英語は細かく言うと2種類あります。
- カタカナ英語
- 和製英語
どのような違いがあるのか見ていきましょう。
【カタカナ英語】英語をカタカナ読みで表したもの
カタカナ英語とは、英語をそのままカタカナ読みで表したもの。
例:birthday→バースデー、apple→アップル
カタカナ英語は日本人が発音しやすい音で表記しているので、ネイティブの発音を正確に表したものではありません。
たとえばこの場合「birthday」の「th」の音は、実際には「ス」ではなく、ネイティブは上の歯と下の歯の間に舌を軽く挟めて発音します。
日本語には「th」の音がないので、最もそれに近い音の「ス」という表現になるわけです。
カタカナ英語の場合は読み方を日本語風にしているだけで意味は英単語のままなので、発音が下手でも通じることが多々あります。
【和製英語】日本人だけが使う英語
「和製英語」は、日本人が独自に生み出した「英語風」の単語。つまり日本人だけが使う英語です。
上記のように、「ノートパソコン」という単語は日本人なら分かりますが、英語では「laptop computer」と言います。
そもそも「パソコン」とは「personal computer」を日本語で略したもので、英語で略すなら「PC」です。
ノート型のように折りたたむパソコンだからと日本人が独自に名付けた和製英語なので、ネイティブには通じません。
同じように「フライドポテト」も揚げたポテトという意味で作られた和製英語。本来は英語で「French fries」と言います。
つまり和製英語は本来の英語と違う言い方をするのが特徴。日本人が勝手に作った英語風の言葉なのです。
カタカナ英語は海外で通じる?通じない?
日本人はどうしてもカタカナ英語になってしまいがちですが、結局のところ気になるのは海外で通じるか否かですよね。
ここからは結局のところどうなのか見ていきましょう。
カタカナ英語でもアクセントに気をつければ通じることが多い
日本人は「r」や「l」「th」などの発音が悪いから、英語が通じないとよく聞きますが、カタカナ英語は英単語の意味は変わらないので、アクセントがしっかりできていれば通じることも意外と多いです。
事実、アメリカに行った時に発音はかなり下手でもアクセントに気をつければ「あ、もしかしてこれを言いたいの?」と思ってもらえました。「th」を「ス」と言っても通じたんです。
アクセントとは音の強弱を表すもの。「単語のどこの部分を強く言うか」が大事です。
たとえば「Hotel」は「テ」を一番強く言います。
「l」の発音が悪くて思いっきり「ル」となってしまっても、ホテルの「テ」さえ一番強く言えばなんとかなることも多いんです。
逆に「ル」を一番強く言ってしまうと発音が悪いうえにアクセントまで違うので全く通じないでしょう。
また実際の英語と意味や発音が全然違うカタカナ英語もあるので、その場合は伝わりません。(詳しくは後述します)
海外で伝わらないのはカタカナ英語より和製英語
海外で通じないのはカタカナ英語よりも、日本人が勝手に生みだした和製英語です。
とは言え日本では当たり前のように使われているので、そもそも何が和製英語なのかも分からない人は多いですよね。
海外で思わず使ってしまいそうな和製英語を一覧にしてみました。
和製英語 | 英語 | 読み方 |
シュークリーム | a cream puff | クリームパフ |
リップクリーム | chap stick | チャップスティック |
コーラ | coke | コーク |
フライドポテト | French fries | フレンチフライズ |
ビーチサンダル | flip flops | フリップフロップス |
ワンピース | dress | ドレス |
マニキュア | nail polish | ネイルポリッシュ |
アルバイト | part-time job | パートタイムジョブ |
サラリーマン、OL | office worker | オフィスワーカー |
ホッチキス | stapler | ステイプラー |
ブラインドタッチ | touch-typing | タッチタイピング |
ゴム | rubber | ラバー |
ガソリンスタンド | a gas station | ギャスステイション |
ワンマン | dictatorial | ディクタトリアル |
ベテラン | expert | エクスパート |
「えっこれもそうだったの?」というものが結構ありますよね。
他にも挙げたらきりがないくらい、日本では和製英語が溢れています。
ややこしいからやめてもらいたいですね。
ちなみにサラリーマンやOLのような職業に関しては、海外では具体的に「私はプログラマーです」などと職種を言うことが多いです。
【カタカナ英語の代表一覧】間違って使わないように注意
先ほどカタカナ英語はアクセントに気をつければ、和製英語に比べて通じやすいと言いました。
ただアクセントがしっかりできていても、中には実際の意味と違って使われるものだったり、発音が全くかけ離れているなんてこともあります。
ここからは日本でよく使われるカタカナ英語を見ていきましょう。
ビジネスでよく使われるカタカナ英語一覧
日本でカタカナ英語が特に多く使われるのはビジネスシーンでしょう。
英語辞書でおなじみのweblio株式会社のアンケートによれば、約8割の人がビジネスシーンで「カタカナビジネス⽤語」を使っているということが分かりました。
(画像引用:カタカナビジネス 用語に関する意識識調査)
ではビジネスでよく使われるカタカナ英語の代表を見ていきましょう。
ビジネス 用語 | 英語 | 意味 |
アサインする | assign | 割り当てる |
アジェンダに目を通す | agenda | 計画、予定表 |
タスクが多い | task | 課せられた仕事 |
コミットする | commitment | 約束、決意する |
キャパが大きい | capacity | 収容能⼒、容量 |
バッファを持たせる | buffer | 余裕 |
エビデンスがある | evidence | 証拠 |
クロージングをかける | close | 商談を 成約させる |
アテンドする | attend | 接待する |
リークする | leak | 機密情報が 漏れる |
ペンディングする | pending | 保留にする |
バイアスがかかる | bias | 偏見、先入観 |
ソリューションを提案 | solution | 問題解決 |
ファクターを洗い出す | factor | 要因 |
聞いたことのあるものばかりではなく、職種によっては全く使わないカタカナ英語もありますね。
ちなみにカタカナビジネス用語に困惑した人は54.5%もいるそうです。
確かに上司から急にカタカナ英語で指示されたら戸惑いますよね。
意味が違うのに使われているカタカナ英語一覧
日本人が使っているカタカナ英語の中には、実際の英語とは意味が違うのに間違って使っているものもあります。
和製英語のように言葉自体が伝わらないわけではありませんが、日本人が言いたい意味と実際の意味が全然違うので注意が必要です。
以下に一覧を載せました。
日本語 | 実際の意味 | 英語で言うなら |
アパート | apartment (マンションの 一室) | apartment house (建物) |
マンション | mansion(豪邸) | |
クレーム | claim(申請) | complaint |
リフォーム | reform (性格矯正) | renovation |
スタイル (体型) | style(形式) | figure |
スマート (体型) | smart(賢い) | slim |
ハンドル(車) | handle(取っ手) | steering wheel |
ヒップ(お尻) | hip (腰) | bottom |
テキスト (教材) | text(文字) | textbook |
ドラッグストア | drugstore (麻薬を扱う店) | pharmacy |
日本人はこんなに勘違いして使っているのかと恥ずかしくなってきますよね。
「ヒップ」なんかは日本では完全に「お尻」という意味で使われていますし…。
知らないうちに恥ずかしいことを言わないようにしたいものですね。
発音やアクセントが実際の英語と違うカタカナ英語一覧
日本人が使うカタカナ英語と、実際の英語の発音が全然違うこともよくあります。
間違った発音でよく使われているカタカナ英語の代表を見てみましょう。
カタカナ英語 | 英語 | 発音 |
アルコール | alcohol | アルコホー |
テーマ | theme | スィーム |
ビタミン | vitamin | ヴァィタミン |
ウイルス | virus | ヴァィラス |
アレルギー | allergy | アルジー |
エネルギー | energy | エナジー |
日本のニュースで「ウイルスが…」なんて言っても、実際に英語にすると「ウ」なんていう音は全く出てこないのが分かりますね。
カタカナ英語に関するQ&A
ここからはカタカナ英語に関するよくある質問を紹介します。
センター試験にカタカナ英語の問題が出るの?
A、2020年のセンター試験ではアクセント問題が出ました。
2020年のセンター試験では、アクセント問題として2音節~4音節の単語が出題されました。
中でも「allergy(アレルギー)」など、カタカナ英語で発音やアクセントが実際の英語と違う単語が問題に出たようです。(参考:データネット2020)
カタカナ英語のスペルが分からない…パソコンで変換できる?
A、windows 10のMicrosoft IMEなら変換できます。
windows 10のMicrosoft IME は、日本語の文字入力をサポートしてくれるソフトウェアです。
カタカナでは分かるのにスペルが出てこないといった時は、カタカナで入力すれば、変換候補として英単語を出してくれます。
以下は「キャパ(キャパシティーの略)」とメモ帳に入力した際の変換候補です。
キャパという略語なのに、ちゃんと英語の「capacity」を出してくれました。
カタカナ英語の発音を矯正するにはどうしたらいいい?
A、英会話スクールで習うかアプリで独学するのがおすすめ。
英会話スクールで講師に直接発音を教えてもらうのが一番手っ取り早くて正確です。
必ずしも英会話教室に通わなくても、オンライン英会話のDMMなどでも発音矯正コースがあるので、自宅でも矯正することができますよ。
できるだけお金をかけたくないなら、「キクタン」などの発音を学べるアプリで独学するのもいいでしょう。
【オンライン英会話】DMM英会話の料金やプラン・特徴まとめ。体験談や口コミ・評判も紹介。
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間違った英語を使わないように英語力をあげていくことが大事
今回はカタカナ英語について説明しました。
カタカナ英語が海外の人に通じることももちろんありますが、実は意味が違うのに間違って使っていることも多いのというのもまた事実。
知らないままで恥をかくことのないように、やはり普段から英語を勉強することが大事ですね。
単語の発音やアクセント、語彙は独学でも始められます。
少しづつ勉強して正しい英語を学んでいきましょう。