「暗唱」は、よく幼児教室などでも取り入れられているもので、幼児期に暗唱をすることで、記憶力が育つ、クリエイティブな能力が伸びるなどと言われています。
そこまで難しいものではなく、家庭でも簡単に取り入れることができるので、親子で過ごす時間のなかに取り入れてみてはいかがでしょうか。
本記事では、幼児期の暗唱の効果について、また幼児期の暗唱におすすめな題材について詳しく紹介します。
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幼児が暗唱すると何が良いの?
ここでは「幼児期の暗唱」の効果について説明します。
暗唱は右脳と左脳を両方つかう「全脳教育」
暗唱とは、文章を覚えて、何も見ずに口に出して唱えることです。
暗唱をするときは、右脳と左脳の両方をバランスよく使うので「全能教育」が行えると言います。
右脳は記憶、左脳は言語。それぞれが得意な領域をバランスよく使うことができるのです。
右脳と左脳を暗唱によって刺激することで、語彙を増やしたり、表現力が豊になる、理解力や思考力を育てることができます。
なんとなく、記憶力を伸ばすことができるのは想像できますが、表現力や理解力も伸ばすことができるのは、なんだが驚きですよね。
「幼児期の暗唱」には、どんな効果があるの?
右脳と左脳をバランスよく刺激する暗唱は、具体的に以下の効果があると言われています。
【幼児期の暗唱の効果とは】
- 記憶力を育てる
- 日本語をインプットし、語彙を増やす
- 表現力を鍛え、クリエイティブな能力を伸ばす
暗唱をするときは、内容に合わせて、声色を変えたり、声に強弱をつけたりして表現を工夫しますよね。
そういった工夫が表現力を鍛え、クリエイティブな能力を伸ばすことに繋がります。
また、暗唱に慣れてくると物語、詩、短歌などに取り組むと、日本語の美しい言葉なども覚え、語彙も増えていきます。
幼児の暗唱、おすすめの題材
幼児期の暗唱としておすすめの題材を紹介します。
数え歌(いっぽんでもニンジンなど)
数え歌とは、数えることをテーマにした歌のことです。
短くて覚えやすく、リズミカルなものが多いので、初めての暗唱にぴったり。2歳、3歳といった小さい子どもでも、気軽に取り組むことができますよ。
有名な数え歌を2つ紹介します。
「いっぽんでもニンジン」
前田利博作詞・佐瀬寿一作曲
1(いち) いっぽんでも ニンジン
2(に) にそくでも サンダル
3(さん) さんそうでも ヨット
4(よん) よつぶでも ゴマシオ
5(ご) ごだいでも ロケット
6(ろく) ろくわでも シチメンチョウ
7(しち) しちひきでも ハチ
8(はち) はっとうでも クジラ
9(きゅう) きゅうはいでも ジュース
10(じゅう) じゅっこでも イチゴ
イチゴ ニンジン サンダル
ヨット ゴマシオ ロケット
シチメンチョウ ハチ
クジラ ジュース
もしリズムが分からない場合は、YouTubeで「いっぽんでもニンジン」を検索するとでてきます。
数え歌なら、歌を覚えるのと同じ感覚で覚えることができるので、子どもも楽しく取り組んでくれるはずです。
お風呂で湯舟につかるときや、公園のブランコでの順番待ちなど、いろんな生活の場面で使えるので、覚えておいた損はないですよね。
以下のような短いものであれば、2歳~3歳の小さい子どもでも覚えることができるかもしれません。
「いちにのさん しのにのご」
作者不明
いちにのさ~ん(いちにっさん)
しのにのご(にのしのご)
さんいちしのにの(にのしの)
しのにのご(にのしのご)
これは「聞いたことある」という人も多いのではないでしょうか。
何かの呪文のようで、子どもの興味をそそります。
子どもが好きな本(おすすめ絵本3冊紹介)
自宅でも絵本のページをめくりながら、(平仮名もまだ読めないのに)内容やセリフを声に出しているという子どもの姿はよくあると思います。
まだ暗唱をしたことがないという場合は、子どもの好きな本の暗唱からスタートして、子どもに興味を持たせるのが良いでしょう。
手元に絵本があるとどうしても、絵を見ることに意識がいってしまうので、お風呂に入っている時や、電気を消した寝る前のお布団、散歩中などに親子で取り組むのが面白いかもしれません。
以下、暗唱向きの絵本を3つ紹介します。
あっちゃんあがつく
まず紹介するのは「あっちゃんあがつく(さいとうしのぶ著)」という絵本。
あっちゃん あがつく あいすくりーむ いっちゃん いがつく いちごじゃむ…。うたって嬉しくなるようなはやし歌においしそうな絵をつけた、楽しい絵本。
この絵本は「あ」から「ん」のひらがな順に、頭文字から続く食べものを歌のようにリズムよく読むことができる本です。
たとえば「あっちゃんあがつくあいすくりーむ」「いっちゃんいがつくいちごじゃむ」「うっちゃんうがつくうめぼしすっぱい」・・・といった感じです。
ワンフレーズが短いので、最初の暗唱にはぴったりです。絵自体も可愛いので、子どもも気に入ってくれるはず。
慣れてくれば親が「あ」「い」と頭文字をいえば、子どもが絵本のセリフを暗唱してくれます。
幼児期を購入すれば、小学校低学年までは楽しめるでしょう。
きょだいな きょだいな
次におすすめなのが「きょだいな きょだいな (こどものとも傑作集)」という絵本。
【内容】
広い野原の真ん中に、巨大なピアノがあったとさ、そこへ子どもが100人やってきて…。次々に巨大なせっけん、巨大な電話、巨大なトイレットペーパー、巨大なびんが出てくるお話。
この絵本は子どもから人気のある絵本で、とにかくリズミカルなセリフが耳に残る楽しい作品です。
たとえば「あったとさ、あったとさ、ひろいのっぱらどまんなか、きょだいなピアノがあったとさ」・・・といった感じです。
楽しい展開、ちょっと怖い展開などがあり、自然と言葉に強弱をつけたり、声色を変えて表現したくなるので、暗唱で表現を鍛える絵本としても向いています。
上記の2冊は、私が保育園で働いていた頃に、よく子ども達に読み聞かせをしていたのですが、子ども達も自分が気に入ったフレーズを声に出して遊んでいましたよ。
これはのみのぴこ
次におすすめなのが「これはのみのぴこ (谷川 俊太郎著)」という絵本。
【内容】
「これはのみのぴこ」から始まり、ページをめくると「これはのみのぴこの すんでいるねこのごえもん」「これはのみのぴこの すんでいるねこのごえもんの しっぽふんずけたあきらくん」といったように、次から次へと短い言葉が足されて、どんどん長い文章になっていくユニークな絵本です。
日本の詩人、絵本作家、脚本家としても有名な谷川 俊太郎作の絵本です。
これは寿限無(じゅげむ)に近いような流れのある絵本ですが、登場人物がシンプルで身近なものがでてくるので、寿限無よりは覚えやすいでしょう。
(文章の長さ的には寿限無と同じくらいか、こちらの方が長いです。)
絵本の内容自体も面白く、大人が何も言わなくても、子どもが自分から積極的に覚えようとするくらい魅力的な絵本です。
寿限無(内容記載あり)
暗唱といえば、やっぱり寿限無(じゅげむ)。
日常では使わない、聞きなれていない言葉も沢山入っているので、子ども自身が興味をもちながら、楽しく覚えることができます。
「ポンポコピーのポンポコナの」なんて、子どもがハマりそうな面白い言葉ですよね。
「寿限無」
寿限無(じゅげむ) 寿限無(じゅげむ)
五劫(ごこう)のすりきれ
海砂利(かいじゃり)水魚(すいぎょ)の水行末(すいぎょうまつ)
雲来末(うんらいまつ) 風来末(ふうらいまつ)
食(く)う寝(ね)るところに 住(す)むところ
やぶらこうじの ぶらこうじ
パイポ パイポ パイポの シューリンガン
シューリンガンの グーリンダイ グーリンダイの
ポンポコピーのポンポコナの
長久命(ちょうきゅうめい)の長助(ちょうすけ)
まずは親が覚えて暗唱をしてみせて、子どもに「なにそれ」「スゴイ」「やってみたい」と思わせてあげると良い導入になりますね。
子どもが興味を持ってくれて、覚えたいとなれば、ワンフレーズごとに一緒に覚えていきましょう。
導入が難しそうだな、と思ったら絵本に頼るのもアリ。
以下の絵本の口コミをみると、2歳の子でも興味を示して、3歳の子どもでもセリフまで覚えている子もいるんだとか。
絵本だと子どもが絵を見ながら、寿限無がどんなお話なのか理解できるので良いですね。絵も可愛いですよ。
他にも、教育系のテレビ番組でも、頻繁に使われることがあるので、テレビやYouTubeで聞いて、一緒に覚えようというスタンスで暗唱ができると子どもの楽しみながら覚えてくれるでしょう。
雨ニモマケズ(内容記載あり)
寿限無に続いて、暗唱で有名な宮沢賢治の「雨ニモマケズ」。
かなり長いのですが、早い子だと4歳くらいでも暗唱する子がいるそうです。
本来なら漢字とカタカナ表記なのですが、ここでは分かりやすいように、漢字と平仮名表記の「雨ニモマケズ」を記載しておきます。
「雨ニモマケズ」
宮沢賢治
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだをもち
慾はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分を勘定に入れずに
よく見聞きし分かり
そして忘れず
野原の松の林の陰の
小さな萱ぶきの小屋にいて
東に病気の子供あれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行ってこわがらなくてもいいといい
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろといい
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はおろおろ歩き
みんなにでくのぼーと呼ばれ
褒められもせず
苦にもされず
そういうものに
わたしは
なりたい
宮沢賢治の「雨ニモマケズ」は、自分のことだけでなく、人のことを思いやって生きていくといった内容のものです。
4歳~5歳くらいの子どもだと、一つひとつの言葉に「なんで」「どうして」と疑問を持つでしょうから、内容に子どもが興味をもった場合は、できる範囲で答えてあげましょう。
本人が特別気になっていないようなら、親から内容を熱心に説明する必要はありません。
百人一首(ひゃくにんいっしゅ)
取り組んでいるうちに、暗唱が得意になったら百人一首に挑戦してみると良いでしょう。
小学1年生、2年生でも覚えるのが難しい百人一首ですが、内容を理解する必要はないので、どんどん難易度をあげて楽しみたいという子にはおすすめ。
ちなみに、百人一首(ひゃくにんいっしゅ)とは、平安時代に読まれた短歌・和歌を100人分集めたものです。
実は百人一首にもいろんな種類があるようですが、一般的には「小倉百人一首」というものが一般的な百人一首を指します。
短歌は、上の句と下の句に分かれているので、親が上の句を読んだら、子どもが下の句を答えるといったように暗唱すると良いでしょう。
カルタで遊ぶも良し、最初は漫画やアニメを親子で見ながら覚えていくのも楽しいですよ。
以下の「百人一首辞典」はフルカラーでイラスト入りなので、かなり分かりやすいです。
まずは、やはり子ども自身が興味をもってくれないと始まりませんから、子どもと相性の合う「暗唱する題材」選びましょう。
暗唱するときコツ、やり方
暗唱するときのコツは、以下の通りです。
【暗唱するときのコツ】
- 大きな声でハッキリと暗唱する
- 慣れてきたらスピードアップしてみる
- 本人が楽しむ、無理に覚えさせない
- 難しい意味を理解する必要はない
以下、それぞれの項目について詳しく説明します。
大きな声でハッキリと暗唱する
まずは、大きな声でハッキリと暗唱するのを心がけましょう。
一緒にやっている親の声が小さいと、子どもも真似してしまうので、子どもにお手本を見せるときは親も大きな声で暗唱することを意識してくださいね。
途中忘れてしまっても、間違えてしまっても良いんです。正確に暗唱する心構えは大切ですが、試験では無いので、そこまで神経質になる必要はありません。
大きな声でハッキリと暗唱していれば、子ども自身が間違いに気づくこともできます。
また、本人が暗唱中に間違いを指摘するのは控えてください。終わったあとに、自然と指摘してあげれると良いですね。
慣れてきたらスピードアップしてみる
慣れてきたら、暗唱するスピードを早くして難易度をあげてみましょう。
ストップウォッチで3分、5分と暗唱の内容に合わせて制限時間を設けるのがおすすめ。ゲーム感覚で楽しむのが目的です。
また、少し難易度をあげることによって、集中力が上がったり、達成感を味わうことができます。
本人が楽しむ、無理に覚えさせない
親が子どもに暗唱を強制すると、子どもが興味を失ってしまいます。
本人が楽しんで取り組む、暗唱が楽しい・好きだから、もう少し難しいものにも挑戦してみたいという気持ちを育てる方が大切です。
暗唱は「これは遊びの一環である」という雰囲気作りを忘れないようにしましょう。
難しい意味を理解する必要はない
先ほども触れましたが、暗唱は内容を理解する必要はありません。
理解できるのであれば、それはそれで良いのですが、内容を理解しているかどうかというのは、幼児期のうちはあまり気にする必要がないのです。
「長い文章を覚えて言える」ということを評価してあげましょう。
幼児期の暗唱は感性を育てるのに効果的、さっそくやってみよう
暗唱が右脳や左脳を刺激して、語彙力を高めたり、クリエイティブな能力を育てることができるのは、正直驚きですよね。
幼児期のうちは、とにかく楽しみながら身に付けていくことで、子どもはどんどん吸収していくので「楽しく暗唱をする」ことを忘れないように、親も気楽に楽しんでみてください。