小学校に入る前から家庭学習の習慣が身に付いている子は、手元にあるプリントや通信教材をどんどん進めていきます。
あっという間に解き終わっているのを見ると、「もっと難しい問題にふれさせてあげたほう良いのでは?」と感じてしまいますよね。
そこでおすすめなのが、ハイレベルで良質な問題が多いZ会です。
Z会では、実際の学年より上のコースで申し込むことができます。
しかし一方で、公式見解では「実際の学年で学ぶ」ことが推奨されているなど、本当に先取り学習をするべきかは意見が分かれるところです。
今回は、Z会の先取り学習におけるメリットや注意点、申し込み方法について紹介します。
Z会の教材は先取りできるって知ってた?
通信教材のなかでもレベルが高く、高校講座では東大や阪大、京大などの難関大学合格者を輩出するZ会は、実は中学、小学、幼児コースまであります。
小学校受験を考えている家庭では「幼児期から考えさせる力をつけたい」と、Z会を始める人も多いようです。
ポピーやこどもちゃれんじ、市販の少し難しそうなドリルをあっという間に解いてしまうくらいなら、Z会でもいきなり詰まってしまうこともないでしょう。
しかしそれだけでは足りず、思った以上に子どもの実力がありそうなら、「先取り学習」を検討してみるのも一つです。
Z会の場合、先取り学習は実際の年齢(学年)よりも上のコースを受講することを言います。(「飛び級」と表現する人もいます。)
翌月や翌々月の分まで、ではなく1年先の内容を学ぶわけです。
Twitterを見ると、先取りを検討する人、始めている人がちらほら見かけられました。
Z会の思考・表現力教材来た。待ってた! 面白そうではあるけど、今月中に添削提出まで行っちゃいそうだな…。1年先取りくらいがいい塩梅な気が。
この後結局、ギリギリ4月号からZ会を年中に。
先取りを頑なにしないよりも、今の娘に合っているものを、という結論。
娘はペーパー習慣がなかった(そもそもお勉強っぽいものをしたことがほぼない)から、3月からZ会グレードアップドリルを毎日1枚はやるとゆるく導入中。机に座らないで床でやる…
具体的にどのような例があるのでしょうか。
例①|年長で小学1年生の学習を先取り
例えば、幼児コースで「先取り」するなら、年長の4月に小学1年生のコースを始めるような感じです。
小学1年生は、紙の教材で取り組む「小学生コース」(1・2年生)と、タブレット中心に取り組む「小学生タブレットコース」(1・2年生)があります。
タブレットコースは、予定の通知やヒントなどを親の代わりにタブレットが教えてくれるので、一人で黙々と取り組ませたい場合はタブレットコースがおすすめ。
1ヶ月の学習時間目安はいずれも6時間前後とされているため、年長の子どもが実年齢よりも上の内容を理解しながら進められるかをよく考えたうえで受講させてあげたいですね。
例②|中学受験コース(小3以降)を小学2年生から先取り
Z会には小学3年生から「中学受験コース」が用意されています。
「トータルプラン」は塾なしで自宅学習に取り組む人向け、「塾併用要点学習プラン」は塾に通いながらZ会で理解を深めていく人向けです。
この中学受験コースも、実は小学3年生になる前から始めることができます。
実際、口コミを見ていると、小学2年生から中学受験コースを始めたという人もいました。
Z会で先取り学習をするメリット
実際の年齢よりも早くZ会で先取り学習をすることに、どのようなメリットがあるのでしょうか。
子どもの実力次第ではどんどんレベルの高い問題に取り組める
子ども自身に「もっと解きたい、理解したい」という気持ちがあれば、内容が難しくても挫折せずに先へ進めていくことができるはずです。
Z会は「考える力」を引き出す問題がうまく構成されているので、先取り学習で身に付けた知識や考え方は、そのまま英検や漢検、数検などの検定にもいかされそうですね。
始める時はネットでOK!電話連絡は不要
他の通信教材だと、実年齢と異なるコースを申し込む場合は電話連絡を原則としているところがあります。
電話連絡だとタイミングを逃してかけられたなかったり、先取り学習を申し出てどのように対応されるのか読めなかったりして、ちょっと不安ですよね。
一方、Z会は先取り学習でも、24時間いつでもネットから申し込みOK。
申し込み手順は後半で紹介しますが、非常に簡単なので安心してください。
Z会で先取り学習をする時の注意点
「子どもが貪欲に勉強してくれるなら大丈夫」と思っていても、まだ成長途中の脳では処理できるレベルが違うので、どこかで子どもが困ってしまう場面が出るものです。
その時の対応次第で、一気に勉強嫌いになってしまう可能性もあるので、無理は禁物。常に注意して見守っていくことを忘れないようにしましょう。
先取り自体は可能だが公式の見解としては同じ学年のものが推奨されている
先取り学習の要望もあるため、Z会では上の学年の分であっても申し込みができるようになっています。
しかし、Z会では必ずしも先取りを勧めているわけではありません。
実際に公式サイト上には、先取り学習について次のような回答が掲載されていました。
該当学年のコースを受講されることをお勧めしています。
幼児コースの内容は一部先取りの学習もありますが、先取りが目的の教材では ありません。
その時期にしかできない体験教材が中心の教材となっております。
また小学生のお子様は学校で習うことと自宅で学習することが離れてしまいますと,学校の勉強がおもしろくなくなってしまうこともあります。すでに学習済みでも、繰り返し学習をすることで学習の定着を図ることもできます。
ご検討いただいたうえで、やはりお子様の学習が進んでいる、また先の内容に興味があるようでしたら、学年上の受講も承っております。(引用:Z会幼児向けコースよくある質問)
良かれと思って先取りを始めたのに、学んだことを生かせる場がすぐにないと逆にやる気を無くしてしまうことも考えられます。
前に取り組みすぎて学校の授業が理解できなくなったら要注意
サクサクと先取りができていれば心配しなくても良いというわけでもなく、学校の授業で実際に習うときに内容をすっかり忘れてしまうことも十分あり得ます。
やっているうちに思い出すかもしれませんが、そのまま理解できず苦手になってしまっては何よりも本人が困ります。
先取りをしなくても、実年齢と同じコースで学習をしているほうが、子どもの理解が早くなることもあるので、「先取り学習は良いことなんだよ」といった親の意向を押し付けすぎないよう注意したいですね。
学年が上がるにつれ難しく感じて子どもがつらくなるかも
年少で年中の内容を、年中で年長の内容を取り組んできたような場合、「小学校に上がってからも先取り学習が向いているはず」と思い込むのは危険です。
小学校以降になると学習のレベルやスピードがぐっと上がります。
Z会の問題内容もハイレベルなものとなり、学年が上がるたびに問題事の難易度がじわじわと上がっていくのは当然のことです。
「分からない」「進まない」ことは、子どもにとって大きな負担となります。
Z会で先取りをするための申し込み方法
先取りの申し込み方法について確認しておきましょう。
申し込みはいたって簡単で、「お申し込みを希望のコース」で受講したいコースを選ぶだけ。
その後のページで、子どもの名前や生年月日を入力するところもありますが、こちらは実年齢を入れておけば大丈夫です。
後は画面のしたがって手続きを進めていけば良いので、非常に簡単です。
ちなみに、改めて料金を確認しておくと、幼児コースから小学生コース(1・2年生)は次の通り。
入会金・再入会金 | |||
---|---|---|---|
0円 | |||
年齢 | 12ヵ月 一括払い | 6ヵ月一括払い | 毎月払い |
年少 | 2,465円 | 2,755円 | 2,900円 |
年中 | 2,635円 | 2,945円 | 3,100円 |
年長 | 2,975円 | 3,325円 | 3,500円 |
※税込表記
おまけ|スマイルゼミやこどもちゃれんじは電話申し込みが必要
ちなみに、タブレット学習のスマイルゼミや、進研ゼミのこどもちゃれんじでは、先取り学習をするためには電話での申し込みが必要です。
しかも、スマイルゼミは一旦コースを上げると前には戻れず、しかも休会をすることもできないので、先取り学習をするには少し勇気が必要になります。
進研ゼミ小学講座の「チャレンジタッチ」も同様で、1つ上の学年で初期設定されており、後になって学年を下げることができません。
スマイルゼミやこどもちゃれんじは、学校の授業や進度に合わせて作られているので、先取りよりも実年齢と同学年のコースを選んだほうが、子どもにとってプラスになりそうです。
もし子どもにやる気があって、どんどん進みたいといった意欲があるなら、RISU算数・RIISUきっずがおすすめ。
まとめ|Z会の先取りは子どものレベルと学習意欲を良く考えて選ぶ
Z会の先取り学習について解説してきました。
理解が早くてどんどん進んでしまうなら、先取り学習をすることを選択肢として考えてみましょう。
ただし、公式自体が同じ学年のコースを選ぶよう勧めていますし、先取り学習した分の学習が定着せず授業で苦労する可能性もあります。
1つ学年を上げるとかなり難易度が上がり、学習量も増えてしまうことをよく踏まえたうえで、本当に先取り学習をするべきか、見極めておくことが大切です。
通信教材で先取りをしなくても、市販の教材や、幼児教室だしている教材を利用する方法もあるので、Z会にこだわらず学習を進めていくのも良いですね。