世界のグローバル化とともに、子ども達は英語を習得することが求められる時代になってきました。
「子どもには早くから英語に触れて上手になって欲しい」「将来の役に立ててほしい」といった願いから、英会話教室の習い事に行かせているなんて人も多いでしょう。
しかし、「最初は楽しく通っていた英語教室も、嫌がるようになってきた」「遊びたいから、今日は英語を休む!と駄々をこねるようになってきた」など子どもが英語を嫌がって困っているという話を聞くことがあります。
一生懸命、英語を学んでもらうために動いているのに、嫌がられると動揺してしまったり、不安になったりしますよね。
そこで今回は、子どもが英語を嫌がる理由や、どのように対応したらいいのかといったことについて紹介します。
遊びの一環として、楽しく英語学習を続けるにはどうしたらいいのか、一緒に考えてみましょう。
子ども英語を嫌がるのはなぜ?その理由は?
子どもが英語を嫌がる時は、必ず理由があります。考えられる理由をいくつか挙げました。
- とにかく遊びたいから
- 分からないまま進んでしまってイライラするから
- 内容がつまらないから
- 通っている英会話教室の先生が嫌いになったから
- かけ流しているCDの音量が大きすぎるから
「嫌な理由を言いなさい」と単刀直入に言っても、それが逆効果になってうまく説明してくれないかもしれません。
そんな時は、他の理由があったり、英語学習のスタイルに理由があることが多いです。
とにかく遊びたいから
子ども達は、一日中遊んでいるように見えます。実際、一日中遊んでいます。
ただ、大人からすると「十分、遊んだね」と思える日でも、「まだまだ遊びたい!」と言う子は少なくありません。
大人が思う「たくさん遊んだ=遊び足りている」という考え方は、子どもには成り立ちません。
たくさん遊んでも、まだ遊びたい、それが子どもです。
遊び足りない子どもに「英語の時間だから遊べないよ」と伝えるたびに、子どもなかでは「英語=友達と遊べない」という方程式が成り立ち、英語は邪魔で嫌いなものになる可能性が高いです。
英語学習を続けるには、十分に遊びの時間を確保する、友達との遊びの日を妨げない英語学習スケジュールを立てることが大切です。
分からないまま進んでしまってイライラするから
大人でも、分からないままどんどん先に進んでいくクラスで何かを学ぶとなると、次第に続けられなくなって辞めてしまうケースは少なくありません。それは子どもでも同じです。
例えば、子どもが英会話教室を習っているのであれば、子どもの英語レベルと受けているレッスン内容を確認しましょう。
子どものためにと思って始めた習い事でも、子どもの理解が追い付かないと、何がなんだか分からないまま英語のクラスにいる可能性があります。
確かに、「英語は聞いただけで、または聞けば聞くほど上手になる」という意味合いのキャッチフレーズも多々ありますので、どんどん英語を聞いてもらいたいと思うのは当然です。
しかし、子どもからすると、分からないことに対しイライラしたり、自分だけ分からず悔しい思いをしたりして、もう英語教室には行きたくないと思っても不思議ではありません。
内容が難しすぎるのであれば、子どもはできないと感じるばかりで、英語が嫌になってしまいます。
家庭で学習する場合も、子どものレベルで確実に習得できることから始め、積み重ね、その項目を習得する、そしてその習得したレベルで次のステップに進めるように調整することが大事です。
内容がつまらないから
子ども用の英会話に触れさせておけば楽しめるはずだと思っていても、子どもがその内容を楽しいと思えるかは別です。
子どもが「つまらない、面白くない」と感じてしまっている場合、その状態で続けさせても意味はありません。
楽しい、面白いと思えない限り、学びを習得するのはなかなか難しいものです。
家庭で学んでいる場合は、少しでも子どもが興味をもちそうな教材を扱うようにしてみてください。
ディズニーのDVDや、CD付きの英語絵本なども良さそうです。
また、英会話教室に通っている場合は、担当の先生に子どもの様子を聞いてみたり、子どもが面白みを感じてくれそうな英会話教室への変更を検討してみたりしてみましょう。
通っている英会話教室やオンラインスクールの先生が嫌いになったから
学校の授業で、先生が嫌いでその教科のことまで嫌いになったという経験はないでしょうか。
同様に、習っている英会話教室やオンラインスクールの先生が嫌いになることも起こり得るケースです。
ただ、難しいのは、幼い子どもが先生の何が嫌で、どこが嫌いなのか表現ができない場合が多いことにあります。
「嫌なものは嫌なの!」と子どもに押し切られるとなかなか原因を掴みにくいですが、まずは、先ほど触れた通り「英語レベルや理解度確認」や「内容に興味をもっているか」を確認しましょう。
それらに問題が無ければ、先生と合わない可能性があります。
少し時間はかかりますが、子どもをよく観察してください。同時に子どもとのコミュニケーションを図るようにしましょう。
結果、先生の事が好きではない、自分の子どもとは合わないと判断した場合は、教室や先生を変えることで解決します。
新しい先生や環境になれる時間は必要ですが、また楽しく英語を学習してくれるはずです。
かけ流しているCD教材の音量が大きすぎるから
子どもは感覚器官が敏感であり、その中でも聴覚は、常に休まずに働く感覚器官でもあるため、不快な音量はやる気の妨げになるのは間違いありません。
尚絅学院大学 土田定克氏の「幼児が聴き、歌う事の意義」は、子どもにとって心地の良い音について次のように述べています。
では幼児にとって心地よい音とはどんな音か。それは例えば穏やかで、優しくて、そして力強い音。機械的で無機質な音よりも、むしろ温もりと命のこもった有機的な音声。そういう生命感のある温室に囲まれて育つことが幼児の音楽的感性を育む上で欠かせない。
つまり、幼児にとって不快な音が流れ続ける環境は、学びの妨げになることのは明らかです。
英語を聞かせようとしてつい音量を上げてしまいそうですが、耳に自然と入ってくるような音量で流すようにしましょう。
英語耳をつくるには、快い音を楽しいと思いながら聞くことのできる英語環境が大切です。
子どもが英語を嫌がりだした時に親ができることは?
子どもが英語を嫌がり出した時、英語を勉強してほしいと願っている身からすると、どう対応していいやら難しいですよね。
言語学習が途中で嫌になるのは、誰でも一度は通る道です。
嫌と言ったからとすぐに止めさせるのではなく、子どもがどのように感じているのか、しっかり受け止めるようにしましょう。
子どもが英語を嫌がったとき親ができることについて、無理のない範囲で試してみてください。
嫌だと思う理由を聞いてあげる
まずは、子どもがなぜ英語が嫌だと思うのか、耳を傾けましょう。
話を聞いてみると「英語をやりたくないから英語が嫌」というわけではなく、英語とあまり関係がない理由であることも多々あるものです。
例えば、「もっと遊びたい」ならば、単純に遊びたいだけです。英語学習をする時間や長さに配慮すれば解決するかもししれません。
もしくは「英会話教室の時間にお腹が空いている」であれば、レッスンや教室を食べてからできる時間帯に変更するか、パッと食べられるものを用意してあるだけで随分と違います。
意外とちょっとした手間で解決することもあるので、まず子どもの話を冷静に聞いてみましょう。
無理強いをしない
「どうしても嫌だ!」という場合は、とにかく無理強いをせず、また興味が出るまで待つことも大切です。無理強いをされるとますます嫌になってしまうからです。
同時に、母語の他に英語を学ぶとなると、簡単に習得できるようなものではありません。
細くでも長く続けていくために、あえて一時中断するのも一つの手です。
音楽だけを掛けてみたり、子どもが興味のある遊びの中にほんの少し英語を取り入れてみたりして、無理のない範囲で英語に触れる機会を作ってあげるといいでしょう。
オンラインスクールやDVDなど英語学習をする方法を変える
子どもが嫌がっている、あまり楽しそうでないと感じた時、これまでの教室や教材を変更することによって解決する場合もあります。
例えば、英会話教室に通うための移動時間に疲れてしまっていることもあります。
そんな時は自宅でも行えるオンラインスクールを利用してみましょう。送迎の必要が無くなるので、親にも余裕が生まれます。
ちなみにオンラインスクールは、子どものおふざけにもノリノリの先生だったり、子どもが分からなくても安心できるような優しい先生だったり、先生によってスタイルが違います。
自宅はマンネリ化しやすいので、子どもが好きな先生達の中で変化を付けるなど、新鮮な気持ちをもたせるのが続けるコツです。
一方、家では甘えてしまって集中できない子は、思いきって英会話教室に通わせてみましょう。
その方が集中して英語を習得しやすくなるかもしれません。
英語の学習も、様々な変化をつけることによって、楽しさが増したり、問題が解決したりすることもあります。大変だとは思いますが、無理のない範囲で試してみて下さい。
他に好きなことや興味があることもやらせてみる
子どもは興味や関心のあるものに夢中になると、とことんハマります。
それに夢中になっている間は、英語学習に誘っても応じてくれないことが多いでしょう。
そんな時は英語に限らず、好きなことを好きなだけさせてみてください。
ちょっと飽きてきた頃に「英語もやってみない?」と誘ったら、すんなりやってくれるかもしれません。
誰でも英語を嫌がる時期があることを理解しておく
子どもが英語を嫌がるようになったら、原因がどこにあるのかを探ってみましょう。
本当に英語に興味が無い場合、それ以上続けづらいかもしれませんが、だいたいは教材や先生との相性、友達と遊ぶ時間がないことなど、ちょっとした理由です。
子どもと何度も時間を設けて話すことで、理由がどこにあるのかは見えてきます。
子どもが嘘をついたり、本当のことを言わなくなるのは、言うことで怒られたり、否定されたりしてしまうのが怖いからです。
親がしっかり聞いて受け止めてくれると分かれば、本当のことを教えてくれるでしょう。