どちらも「自由」を意味するliberty(リバティー)とfreedom(フリーダム)。
使ってみたけど、こっちで合ってたのかなと思うことってありますよね。
プレステで人気のソフト「メタルギアソリッド4」でも「我々はリバティーだがスネークはフリーダムだ」という言葉があり、一時違いが気になったという声も多かったようです。
本記事ではリバティーとフリーダムについて、例文などを用いながら違いをわかりやすく説明します。
liberty(リバティー)とfreedom(フリーダム)の違いは?
libertyとfreedomをgoogle翻訳で日本語に訳すと、どちらも「自由」という言葉になります。
日本人の場合、自由といえばfreedomのほうが馴染みがあるという人も多いかもしれません。
日本語訳は共通している両者ですが、実は微妙にニュアンスが違うのです。
以下、libertyとfreedomそれぞれの定義やニュアンスについて説明していきます。
liberty(リバティー)とfreedom(フリーダム)の語義
Oxford Learner’s Dictionariesによる、libertyの定義は以下の通りです。(引用元:オックスフォード辞書「liberty」「freedom」)
freedom to live as you choose without too many limits from government or authority
libertyとは、政府や権力などの制限を大きく受けずに、自分が選んだ生き方をする自由のことを言います。
一方、freedomの定義は以下の通り。
the power or right to do or say what you want without anyone stopping you
freedomは、誰にも止められることなく、言いたいことを言ったりやりたいことをやる権利や力のことと定義されています。
libertyの「without too many limits」という部分からは、freedomに比べると一定の制限がある印象を受けますね。
liberty(リバティー)は抑圧や不自由な状態からの自由というニュアンス
libertyは制限や抑圧された状況から掴み取った自由というニュアンスがあります。
どことなく困難な状況を乗り越えてきたような、勇ましさや執念のようなものを感じる言葉ですね。
次に、libertyから想像できるシチュエーションを考えてみましょう。
たとえば、革命が成功して今まで制限されてきた自由や権利を取り戻した人たち。
もっと身近なところでは、校則で禁止されていたツーブロックヘアを猛抗議の末、学校に認めさせた男子高校生などを思い浮かべるとわかりやすいもしれません。
freedom(フリーダム)は制限がなく、もともと開放的というニュアンス
freedomはlibertyと比べると、楽天的で開放的な言葉と言えるでしょう。
ありのままの自由や誰もが本来持っているものといったニュアンスで、遠慮なく自由を謳歌したり、権利を行使できている状態と言い換えてもいいかもしれません。
freedomから連想できるイメージといえば、泥だらけになりながらお腹が空くまで外で遊ぶ子どもだったり、果てしない草原を自由に走り回る馬といったところでしょう。
freedomのニュアンスはlibertyよりも、もっと根本的で原始的な自由といった印象です。
liberty(リバティー)とfreedom(フリーダム)の使い方、例文
ここでは、libertyとfreedomを使った例文をそれぞれいくつか紹介していきます。
liberty(リバティー)の使い方
まずはlibertyを使った例文をみてみましょう。
- “They fought for their liberty and finally won it.”(彼らは自由のために戦い、ついにそれを勝ち取りました。)
- “In those days, there was no liberty to vote for African American people here.”(当時、ここではアフリカ系アメリカ人に選挙で投票する自由はありませんでした。)
これらの例文で使われている「自由」からは、重い雰囲気というか切実で闘争的なニュアンスが感じ取れるのがわかると思います。
ちなみに、libertyには「to take the liberty of doing=確認せずに勝手に〜する」というイディオムがあります。
- “I took the liberty of checking his smartphone while he was out of the room.”(彼が部屋から出ている間に、彼のスマホを勝手にチェックしました。)
この例文は上の2つとはニュアンスが異なりますが、このような用法もあるので覚えておきましょう。
freedom(フリーダム)の使い方
次にfreedomを使った例文を見てみましょう。
- ”You had better exercise your freedom while you’re young.”(若いうちに自由を行使したほうがいいですよ。)
- “We made the most of the freedom in our community.”(私たちは地域社会の中で自由を最大限利用しました。)
どちらの例文からも悲壮感のようなものは感じられず、のびのびと楽しむような、開放的な「自由」のニュアンスを感じ取れるのではないでしょうか。
ちなみにfreedom(フリーダム)とfree(フリー)の違い
freedomとfreeという言葉はよく似ていますよね。実は、これらの言葉は品詞が違うだけで、言葉の概念は一緒です。
freedomは名詞でfreeは形容詞。どちらも制限のない自由というのがルーツとなっています。
たとえば、友だちにヒマ(自由な状態)かどうかをたずねる場合は”Are you free?”が正解です。
“Are you freedom?”と言うと、you = freedomで「あなたは自由の化身ですか?」みたいになって、文章がおかしくなってしまうので気を付けましょう。
まとめ
libertyとfreedomのニュアンスを一言でまとめると以下の通りです。
- liberty:抑圧や不自由から解放された自由
- freedom:制限がなく、開放的な自由
ちなみに、Libertyイングリッシュアカデミーという英会話教室がありますが、これは英語を使いこなせない不自由さから解放されるという意味で名付けられたのかもしれないですね。
日本語にすると同じ意味でも、英語では異なるニュアンスを持っている言葉は他にもたくさんあります。
同じような意味を持つ言葉を見つけたら、それぞれのニュアンスの違いを探ってみるとおもしろいですよ。